ITとOTの融合を簡素化するエッジゲートウェイ、構築済み分析モデルを活用可能:FAニュース
Rockwell Automationは、ITとOTの融合を簡素化、加速する次世代エッジゲートウェイ「FactoryTalk Edge Gateway」を発表した。ITとOTを融合するだけでなく、OTデータの構築や維持、強化に必要な時間や労力を大幅に削減する。
Rockwell Automation(ロックウェル・オートメーション)は2020年10月27日(現地時間)、ITとOT(運用技術)の融合を簡素化、加速する次世代エッジゲートウェイ「FactoryTalk Edge Gateway」を発表した。
FactoryTalk Edge Gatewayは、多様な産業用IoT(IIoT)用途に用いられているFactoryTalk Analyticsに追加されたエッジプラットフォーム製品。構築済みのデータ分析モデルや機械学習、カスタマイズされたアプリケーション、拡張性のあるコンピューティング要素を含んでいる。
また、Microsoft AzureやFactoryTalk InnovationSuite, powered by PTCなどのエコシステムソリューション、さまざまなビッグデータ、IIoT、クラウドアプリケーションと統合するように設計されている。
従来のゲートウェイソリューションでは、OTデータを集約し、プロセス条件やタイムスタンプなどの関連コンテキストをITデータと融合することは難しかった。FactoryTalk Edge Gatewayは、エッジでOTデータを強化しつつ、柔軟な共通情報モデルをITアプリケーションに提供する。
基盤となる共通情報データモデルは、同社のFactoryTalk Smart Object機能によって調整され、オンプレミスあるいはクラウドアプリケーションに効率的にマッピングする。これにより、企業が予測的洞察を生成するのを支援する。
データサイエンティストやアナリストは、FactoryTalk Edge Gatewayが備えるデータ管理機能を利用することで、データ分析の際の準備作業を最大70%削減できる。さらに、FactoryTalk Edge Gatewayの利用により、OTデータの構築や維持、強化に必要な時間や労力を大幅に削減できるため、企業は分析を事業運用の改善に役立てられる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- FA機器メーカーから製造プラットフォーマーへ、ロックウェルの目指す新たな姿
FA用制御機器のグローバル企業である米Rockwell Automationは、スマートファクトリー化などの流れの中で、ITシステムなどを組み合わせたモノづくりプラットフォーマーへと役割を変化させつつあり、日本でもこれらの取り組みを本格的に広げていく方針を示す。日本での取り組みについて、ロックウェル オートメーション ジャパン 代表取締役社長の矢田智巳氏と、同社A&S, Power Control&IC Regional Managerの吉田高志氏に話を聞いた。 - いまさら聞けない「エッジコンピューティング」
IoT活用やCPS進展の中で、あらためて脚光を浴びている「エッジコンピューティング」。このエッジコンピューティングはどういうことで、製造業にとってどういう意味があるのかを5分で分かるように簡単に分かりやすく説明します。 - スマートファクトリーはエッジリッチが鮮明化、カギは「意味あるデータ」
2017年はスマートファクトリー化への取り組みが大きく加速し、実導入レベルでの動きが大きく広がった1年となった。現実的な運用と成果を考えた際にあらためて注目されたのが「エッジリッチ」「エッジヘビー」の重要性である。2018年はAIを含めたエッジ領域の強化がさらに進む見込みだ。 - スマートファクトリー化がなぜこれほど難しいのか、その整理の第一歩
インダストリー4.0やスマートファクトリー化が注目されてから既に5年以上が経過しています。積極的な取り組みを進める製造業がさまざまな実績を残していっているのにかかわらず、取り組みの意欲がすっかり下がってしまった企業も多く存在し2極化が進んでいるように感じています。そこであらためてスマートファクトリーについての考え方を整理し、分かりやすく紹介する。 - エッジは強く上位は緩く結ぶ、“真につながる”スマート工場への道筋が明確に
IoTやAIを活用したスマートファクトリー化への取り組みは広がりを見せている。ただ、スマート工場化の最初の一歩である「見える化」や、製造ラインの部分的な効率化に貢献する「部分最適」にとどまっており、「自律的に最適化した工場」などの実現はまだまだ遠い状況である。特にその前提となる「工場全体のつながる化」へのハードルは高く「道筋が見えない」と懸念する声も多い。そうした中で、2020年はようやく方向性が見えてきそうだ。キーワードは「下は強く、上は緩く結ぶ」である。 - 工場自動化のホワイトスペースを狙え、主戦場は「搬送」と「検査」か
労働力不足が加速する中、人手がかかる作業を低減し省力化を目的とした「自動化」への関心が高まっている。製造現場では以前から「自動化」が進んでいるが、2019年は従来の空白地域の自動化が大きく加速する見込みだ。具体的には「搬送」と「検査」の自動化が広がる。 - 見えてきたスマート工場化の正解例、少しだけ(そもそも編)
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて、話題になったトピックなどに応じて解説します。第28回となる今回は、スマート工場化において見えてきた正解例について前提となる話を少しだけまとめてみます。