「最も採用したい一人」になるための、面接のポイント:モノづくり業界転職トレンド(26)(2/2 ページ)
採用のハードルが上昇する中、自分の強みや熱意を直接伝えられる「面接」が非常に重要になっている。面接において、企業側の視点や通過するために準備すべきことなどについて、転職コンサルタントに話を聞いた。
Web面接ではより冷静に判断される
Web面接は、もはや当たり前の面接手段と言ってもいいだろう。過去の連載でもポイントを紹介したが、Web面接は、対面より緊張感がやわらぐ、移動時間がないため日程調整がしやすいなど、チャンスを広げてくれるメリットがある。その半面、話し手と聞き手がはっきり分かれるため、リズムカルな会話のキャッチボールはなく、表情や雰囲気などを感じ取りにくいという面もある。余談や雑談といった、すき間や息抜きのようなものがない分、企業側はより冷静に、合否判定をしていると考えておこう。
対面での面接も戻りつつあるが、Web面接と併用しているケースが多い。企業側が知りたいリアルな人となり、求職者側が確認しておきたい職場の雰囲気など、オンラインでは得にくい情報を補うために、最終面接だけを対面にしたり、別途職場訪問の機会を設けたりと、工夫をしているようだ。
勝ち残るために最後にできること
さて、入念な準備をして、最後の2、3人に残ったとする。最も採用したい一人になるために、この段階でできることはあるのか。
少し勇気がいるかもしれないが、企業の採用担当者に「どこを評価してくださったのか、どこが弱点なのか」などと率直に聞いてみるのも一つだ。「確約はできないが、教えてくれる企業もある」(関寺氏)という。
エージェントを通じて応募している場合は、エージェントならではのサポートを受けられる。関寺氏は「その企業が何を重視しているのか、また当社からの候補者のどういうところを評価しているのか、どういう懸念があるのかなどを、企業側にヒアリングして候補者にお伝えしている」と言う。
企業側の情報を入手したら、評価してくれている部分をしっかりアピールするのはもちろんだが、懸念点を今後どう克服していくのかを伝えることも重要だ。「アピールすることばかりでなく、どんな質問をされるかを想定することも大事。企業のHPの新卒採用の情報なども、参考になる」と関寺氏はアドバイスする。
転職希望者は、より一層きめ細かい準備が必要になっている。大変かもしれないが、可能性を広げる好機と捉えることもできるだろう。自分を深く分析したり、いろいろな角度から考えたりして、面接に備えてほしい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 自動車業界で求められるITエンジニア人材とは
CASEやMaaSなど“つながる自動車”の新潮流で、自動車業界はいま、ITエンジニアの採用が盛んだ。自動車業界がいま求めているITエンジニア人材について、転職コンサルタントに話を聞いた。 - 自動車業界経験者の転職に変化が起こっている
同業界内での転職が多かった自動車業界。だが最近は自動車業界から他の製造業にキャリアチェンジする人が増えつつある。変化の背景や現状、転職の可能性について、転職コンサルタントに話を聞いた。 - 自動車業界で高まる「モデルベース開発」技術者のニーズ
コロナ禍で転職市場が落ち込むなか、モデルベース開発人材へのニーズが高まり続けている。自動車でモデルベース開発が必要な理由や向いている人材について、転職コンサルタントに話を聞いた。 - 技術者派遣は不景気に強い? 向いているのはどんな人?
エンジニアの働き方の一つに「技術者派遣」がある。“生涯ずっとエンジニア”も夢ではなく、好奇心旺盛でチャレンジしたい人にお勧めな、技術者派遣とその魅力について転職コンサルタントに話を聞いた。 - 今、半導体業界が求めている人材とは
コロナ禍で中途採用が厳しくなる中、エンジニアの求人はどこにあるのだろうか。転職市場の現状と、安定的に募集のある業界について転職コンサルタントに話を聞いた。