ソニーが新たなドローンプロジェクト「Airpeak」、エアロセンスとは別事業か:ドローン
ソニーは、AIロボティクス領域におけるドローンの新たなプロジェクトを開始したと発表した。ブランド名は「Airpeak(エアピーク)」で、イメージング&センシング技術や、リアリティー、リアルタイム、リモートの「3Rテクノロジー」を活用し、ドローンのさらなる発展や最高峰の価値創出に貢献するという。
ソニーは2020年11月9日、AI(人工知能)ロボティクス領域におけるドローンの新たなプロジェクトを開始したと発表した。同プロジェクトのブランド名は「Airpeak(エアピーク)」で、イメージング&センシング技術や、リアリティー、リアルタイム、リモートの「3Rテクノロジー」を活用し、ドローンのさらなる発展や最高峰の価値創出に貢献するという。2021年春に事業開始する計画である。
Airpeakの事業内容の詳細は今回の発表文では明らかにされていない。ただし「Airpeakは、映像クリエイターの創造力を余すことなく支援し、エンターテインメントのさらなる発展に加え、各種産業においても一層の効率化や省力化に寄与することを目指す」(発表文より)とある通り、映像クリエイターやエンターテインメント分野での活用について先に挙げ、その上で他産業への展開を言及していることから、まずは放送機器事業などと関わりの深い映像分野での事業展開が先行することが予測される。
ソニーは今後、Airpeakに関連する情報を専用Webサイトで継続的に発信する方針。Airpeakを体験できる機会をドローンユーザーに提供し、そのフィードバックを得て共創活動を重ねて、2021年春の事業開始に向けた準備を進めるとしている。なお、近日中に、Airpeakの活動に参画できるプロフェッショナルサポーターの募集を開始する予定だという。
なおソニーは2015年8月、ZMPとの合弁で、自律型無人航空機(UAV)とクラウドサービスを組み合わせた産業用ソリューションを提供するエアロセンスを設立している(設立当初はソニーモバイルコミュニケーションズが出資したが、2016年8月にソニーモバイルコミュニケーションズが持つエアロセンスの全株式がソニーに譲渡されている)。ソニーとしては、関連会社であるエアロセンスでドローン事業を5年以上手掛けてきたことになる。
今回のAirpeakの発表文ではエアロセンスとの関係性は一切示されておらず、別事業として展開することになりそうだ。
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