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「強みは自律」産業用ドローン新会社「エアロセンス」が描く未来自律飛行(1/2 ページ)

無人機を売るのではなく、無人機によるセンシングとクラウドによるデータ処理こそが価値を生む――。ZMPとソニーモバイルの設立した新会社「エアロセンス」は産業用無人機で一気通貫の「ソリューション」を提供する。

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 「私たちは無人飛行機の機体を売りたいのではなく、ソリューションを提供していきたい」

 ZMPとソニーモバイルコミュニケーションズ(以下、ソニーモバイル)が設立した、新会社「エアロセンス」は2015年8月24日に都内で会見を開き、2016年前半を予定する事業概要について説明した。新会社の代表取締役に就任した谷口恒氏(ZMP 代表取締役社長)は無人機を売るのではなく、無人機によるセンシングとクラウドによるデータ処理こそが価値を生むと力説した。

 新会社は産業用無人機による計測プラットフォームの開発製造と、関連するソリューションの提供を業務とし、ソニーモバイルはカメラとセンシング技術、通信ネットワーク技術、ロボット技術を提供し、ZMPは自動運転とロボット技術、産業分野でのビジネス経験を提供する。代表取締役はZMP代表取締役社長の谷口恒氏が務め、取締役CTOにはAIBOやQRIOの開発に携わった佐部浩太郎氏が務める。

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自社開発のUAV試作機「AS-MC01-P」を手にする、エアロセンス代表取締役の谷口恒氏(右)と同社取締役CTOの佐部浩太郎氏

 既に土木や農業、建設などの分野へ向けた産業用ドローンは存在しているが、同社は徹底した自動化を進め、導入する無人機については飛行経路の生成や離着陸、飛行、撮影までも自動化する。加えて取得データの解析サービスまでも用意し、「飛行による計測から解析まで」をトータルで提供する。

 自動化(自律化)を進める理由について谷口氏は「自動車の場合も事故の多くはヒューマンエラーに起因している。自動化によってヒューマンエラーを大幅に低減し、安全性を高めることができる」と主張。また、無人機の操縦には現在、熟練したオペレーターが必要であり、自動化によって無人機の利用コスト削減にも寄与できるとした。

 同社は2016年前半に法人向けにソリューションの提供を開始する計画としているが、「既にマンションディベロッパーや大手ゼネコンと事業モデルの話をしている」(谷口氏)と事業化についての順調だと自信を示す。

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事前の飛行経路データ転送さえ完了すれば、自動的に離着陸や撮影を行える
photophoto 撮影データを解析することによって、3Dモデルの作成や採石場であれば採石量の算出が行える
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こちらは水田での利用例。撮影データによって稲の育成状況や収穫時期の判断が行える

 ソニーモバイル 代表取締役社長の十時裕樹氏は「スマホだけでは成長が見込めない」と事業領域拡大を模索していた同社の思惑が新会社設立のきっかけの1つになったと語り、同社からカメラとネットワーク、クラウドの技術と知見を提供することでB2Bビジネス、コンサルティングビジネスの足掛かりにしたいとの意向を述べた。

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