機能安全規格に対応したRISC-V用開発ツールを提供:組み込み開発ニュース
IAR Systemsは、機能安全規格「IEC 61508」および「ISO 26262」認証済みのRISC-V向け開発ツール「機能安全版IAR Embedded Workbench for RISC-V」を提供する。「IAR Embedded Workbench for RISC-V version 1.40.」での適用を予定する。
IAR Systemsは2020年10月20日、機能安全規格「IEC 61508」および「ISO 26262」認証済みのRISC-V向け開発ツール「機能安全版IAR Embedded Workbench for RISC-V」を提供すると発表した。
IEC 61508は、機能安全の国際的な包括規格。ISO 26262は、その傘下の自動車向け安全関連システム向けの規格となる。機能安全版IAR Embedded Workbenchは、第三者認証機関のTÜV SÜDにより両規格の認証を取得。同認証には、メディカルソフトウェアやデバイスに実装されるソフトウェア向け国際規格「IEC 62304」や、欧州の鉄道向け安全規格「EN 50128」「EN 50657」も含まれる。
また、機能安全版IAR Embedded Workbenchには、機能安全証明書やTÜV SÜDによるセーフティレポート、セーフティマニュアルが含まれる。同社は認証済みツールにより、機能安全への対応やバージョン固定による保守契約を提供する。
組み込み開発向け統合開発環境の次期バージョン「IAR Embedded Workbench for RISC-V version 1.40.」での適用を予定しており、認証作業そのものは2021年初旬に完了する予定だ。
関連記事
- Cortex-M4とRISC-VにAIアクセラレータを内蔵したマイコン、消費電力は100分の1
Maxim Integrated Productsは、ニューラルネットワーク向けアクセラレーターを内蔵したマイクロコントローラー「MAX78000」を発表した。低コストで高速のアプリケーション開発を支援する。 - ルネサスがRISC-V採用、ArmやRXベースの製品もある産業機器向け32ビット製品で
ルネサス エレクトロニクスは、オープンソースのプロセッサコアIPである「RISC-V」を用いた組み込みCPUコアや関連するSoC開発環境のサプライヤーである台湾のアンデスとの技術提携を発表した。ルネサスは新開発のASSPにアンデスのRISC-Vベースの32ビットCPUコアである「AndesCore」を組み込み、2021年下半期にサンプル提供を開始する。 - RISC-V向けOSおよび開発ツールの共同研究開発を開始
イーソル、ユーリカ、京都マイクロコンピュータ、エヌエスアイテクスは、既存のRISC-V開発環境に対し、国内活用の観点から不足しているOSや開発ツールの機能開発と実証評価を開始する。 - リアルタイムOS「VxWorks」がRISC-Vをサポート
ウインドリバーが、商用リアルタイムOS「VxWorks」がRISC-Vをサポートしたと発表。サポートに先行して、VxWorksにC++17、Boost、Python、Rustのサポートを含む複数の機能が追加された。また、同社はRISC-V Foundationへの加盟も併せて発表した。 - 組み込み開発向け統合開発環境がLinuxに対応
IAR Systemsの統合開発環境「IAR Embedded Workbench」が、Linux向けビルドツールとして利用可能になった。Linux環境で自動化アプリケーションビルドとテストプロセスの大規模なデプロイができる。 - 組み込み機器を偽造品から守るセキュリティ開発ツールの最新版を発表
IAR Systemsは、組み込み向けセキュリティ開発ツールの最新版「C-Trustバージョン1.40」を発表した。適切なセキュリティと暗号化を自動的に設定し、セキュアな知的財産の保護と製造管理を容易にする。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.