IO-LinkがFA機器にもたらすエッジインテリジェンス、マキシムが対応製品を拡充:組み込み開発ニュース(2/2 ページ)
マキシム・ジャパンが工場などで用いられるFA機器のインテリジェント化に役立つ製品やレファレンスデザインについて説明。PLCなどの制御機器とセンサーやアクチュエータとの接続に広く用いられているI/O規格「IO-Link」への対応を進めるとともに、1枚の小型ボードでPLCの機能を実現する「Go IO」の次世代品を投入するなどしている。
産業機器向けIoTプラットフォーム製品も刷新
IO-Link向けにソフトウェア設定可能なアナログI/Oの関連製品として発表したのが「MAX22000」と「MAX22515」、これら2つのICなどから成るレファレンスデザイン「MAXREFDES177#」である。ソフトウェア設定可能なアナログI/Oを実現するMAX22000は、競合製品と比べて消費電力とサイズが半分以下であり、24ビットのADCアナログ入力モードと18ビットのDACアナログ出力モードを備え、電圧モードと電流モードを選択できる。一方、MAX22515は、外形寸法が2.5×2.0mmという業界最小のシングルチャネルIO-Linkトランシーバーだ。これら2つのICを核とするMAXREFDES177#は65米ドルで提供される。
これらIO-Link関連製品に加えて産業機器向けIoTプラットフォーム製品も刷新する。マキシムは2014年、フットプリントの削減が可能なPLCのレファレンスデザインとして「Micro PLC」を発表。2016年にはカードサイズになった「Pockt IO」を投入し、2018年にはカードサイズよりも小さい「Go-IO」を開発している。
今回の会見では、容積が12cm3となったGo-IOで小型化は十分に果たされたとして、Go-IOからサイズは変更せずに機能拡充を図った次世代品「Go-IO Gen II」を発表した。Go-IO Gen IIは、先述のMAX22000の採用により、ソフトウェア設定可能なアナログI/Oを備えたことが最大の特徴となる。
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