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IoT向け省電力水位計を開発、豪雨災害対策の監視制御システムに最適:組み込み開発ニュース
ジェイテクトは、IoT向けの省電力水位計「TD4800」「TD4810」の販売を開始した。豪雨災害対策に用いられる監視制御システムへの組み込みを想定して開発されたもので、氾濫時の速やかな警報発出に寄与する。
ジェイテクトは2020年10月14日、IoT(モノのインターネット)向けの省電力水位計「TD4800」「TD4810」の販売を開始したと発表した。量産開始は2021年1月の予定。各自治体や事業体に対して販売を進め、年間1億5000万円の売り上げを目指す。
TD4800、TD4810は、豪雨災害対策に用いられる監視制御システムへの組み込みを想定して開発された。外水氾濫対策として中小河川やため池に、内水氾濫対策として合流式下水道管や雨水管内に設置することで、速やかに警報を発出できる。
TD4800は、出力0.4〜2.4Vで従来製品の4千分の1の省電力を誇る。TD4810は出力1〜5Vで、±0.1%F.S(25℃)と高精度だ。さらに両製品は、同社の投げ込み式水位計が持つ、メンテナンスフリー、避雷器内蔵といった特徴を継承している。
消費電力が低いため、通信制御盤のバッテリーの小型化が可能で、ため池など電源の確保が難しい場所でも長期にわたって駆動できる。既に用いられているシステムにも導入可能だ。
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