オートデスク基金、中高生ロボコンチームのフェイスシールド製作に寄付金を贈呈:メカ設計ニュース(2/2 ページ)
オートデスクは、「Autodesk Foundation」から中高生ロボコンチーム「SAKURA Tempesta」への寄付金贈呈式をオンラインで開催した。コロナ禍において、いち早く「Fusion 360」を用いて感染対策用フェイスシールドを作成し、医療機関などへの寄付活動を開始したことが高く評価された。
いち早くフェイスシールド製作に着手した「SAKURA Tempesta」
今回、Autodesk Foundationから寄付金(2万5000米ドル:約260万円)を贈呈されることになったSAKURA Tempestaは、千葉工業大学 津田沼キャンパスを拠点に、「ロボット製作」「チーム運営」「アウトリーチ活動」という3つの活動に取り組んでいる、中高生を中心としたロボコンチームだ。
寄付金の贈呈に至った背景について、織田氏は「オートデスクが支援してきた学生団体の1つであるSAKURA Tempestaは、今回のコロナ禍において、いち早くFusion 360を用いて感染対策用フェイスシールドを作成し、医療機関などに寄付を行うという支援活動に取り組んだ。この活動を高く評価し、Autodesk Foundationから寄付金を贈呈することになった」と説明する。
フェイスシールド製作のきっかけは、外出自粛期間中、自宅に3Dプリンタを保有するSAKURA Tempestaのメンバーの1人(高校生の立崎乃衣さん)が、国際的な学生向けロボットコンテスト「FRC(FIRST Robotics Competition」の海外チームがフェイスシールドの製作に取り組んでいることを知り、2020年4月に個人で「Face Shield Japan」を立ち上げた。その後、Face Shield Japanの運営をSAKURA Tempestaと共同で行うようになり、同年8月からはSAKURA Tempestaの運営に完全に切り替えて支援活動を継続。2020年10月20日現在、累計1615個のフェイスシールドを製造し、医療機関など194施設に寄付を行った。
活動の中で、フェイスシールドの改良にも取り組んでいる。重量、製作時間、コストの見直しなどを図りつつ、使い勝手や装着感を大幅に向上。フレームの色のバリエーションを7色に増やしたり、大きさの異なる2種類のシールドに対応したり、拡大鏡を使用する医師のために額からシールドまでの距離を可変できるようにしたりするなど、アンケート結果や医療従事者の声を聞きながら、Fusion 360と3Dプリンタを用いて改良を行ったという。
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