クラウド版CAE環境の基盤に「Microsoft Azure」を採用:CAEニュース
サイバネットシステムは、CAEソフトウェアによるシミュレーションを高速実行するためのクラウドコンピューティング環境「サイバネットCAEクラウド」の基盤として「Microsoft Azure」を採用し、稼働に向けた開発を開始した。
サイバネットシステムは2020年9月30日、クラウドコンピューティング環境「サイバネットCAEクラウド」の基盤として、日本マイクロソフトの「Microsoft Azure」を採用したと発表した。Microsoft Azure上での稼働に向けて開発を開始し、同年12月の完成を目指す。
クラウドでも快適なCAE環境を提供する「サイバネットCAEクラウド」
サイバネットCAEクラウドは、CAEソフトウェアによるシミュレーションを高速実行するための設計、解析技術者向けクラウド版CAE環境となる。直感的な操作が可能なGUI、CAEとクラウドを熟知した技術者による一貫したサポートなどを提案する。専門知識を必要とせず、クラウド環境でも快適な操作環境を提供し、遠隔地のメンバーとも同じ操作画面を閲覧、共有できる。
今回、その基盤として、新たにMicrosoft Azureを採用。流体解析や電磁界解析など大規模計算を必要とするユーザーのニーズに合わせ、より柔軟にクラウド環境を提供できるようになる。
クラスタ管理ツール「Azure CycleCloud」を活用したCAEクラウドには、テンプレートを用意している。そのため、環境を一から構築する必要がなく、導入後すぐに並列計算を実行できる。
また、多様な仮想マシンにより、解析内容に最適なCPUコア数とメモリ搭載量の組み合わせを柔軟に選択できる。クラスタのノード間には、高速通信に対応する「InfiniBand」を利用できる。データ通信による遅延が少ないため、計算時間の短縮も見込める。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 紫外線照射のシミュレーション技術でウイルス対策や殺菌装置開発を支援
サイバネットシステムは、照明、流体解析技術を活用し、紫外線照射によるウイルス対策や殺菌装置の開発を支援する。紫外線による殺菌、ウイルス不活化の最適なプロセスを予測するシミュレーション技術を提供する。 - CAE技術で約22%軽量化、アサヒビールが取っ手付き4リットルペットボトルを開発
アサヒビールは、業界最軽量となる取っ手付き4リットルペットボトルを開発した。環境に配慮したパッケージ開発の一環として、プラスチック樹脂をこれまでの容器より1本当たり31.5g削減し、約22%軽量化している。 - 日産、CFDや構造解析などを実行するHPC環境を「Oracle Cloud」へ移行
日本オラクルは、日産自動車がオンプレミスのHPC環境を、オラクルのIaaS/PaaSソリューション「Oracle Cloud Infrastructure」へ移行を開始したことを発表した。 - 選べる2つのソルバー、統一感のある新UIで「Ansys Discovery」がパワーアップ
アンシス・ジャパンは、製品開発の早い段階でシミュレーションを活用し、設計プロセスの効率化、生産性向上を支援する統合シミュレーションツールの最新版「Ansys Discovery 2020R2」に関するオンライン説明会を開催した。 - 機械系CAE国内市場規模予測、2020年は860億円と新型コロナの影響で伸び悩み
矢野経済研究所は、機械系CAE市場についての調査結果を発表し、2020年の国内市場規模は860億円と伸び悩むと予測した。新型コロナウイルス感染症の影響などにより、2021年は698億円とさらなる厳しい数字を予測する。 - CAEエンジニアのためのeラーニング教材に「熱流体編」を追加
サイバネットシステムは、CAEエンジニアのためのeラーニング教材「e-CAEユニバーシティ」の提供コンテンツに「熱流体編」を追加した。「計算力学技術者資格認定試験」の熱流体力学分野の受験学習やエンジニアの知識整理に役立つ。