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紫外線照射のシミュレーション技術でウイルス対策や殺菌装置開発を支援:CAEニュース
サイバネットシステムは、照明、流体解析技術を活用し、紫外線照射によるウイルス対策や殺菌装置の開発を支援する。紫外線による殺菌、ウイルス不活化の最適なプロセスを予測するシミュレーション技術を提供する。
サイバネットシステムは2020年9月25日、同社の照明、流体解析技術を活用し、紫外線照射によるウイルス対策や殺菌装置の開発を支援すると発表した。同社が提供する紫外線照射のシミュレーション技術を設計時に活用することで、殺菌、ウイルス不活化装置の開発にかかる時間やコストの削減が見込まれる。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防のため、紫外線を使った非接触型のウイルス不活化技術が国内外で注目されている。同社は、照明解析ソフトウェアと流体解析ソフトウェアを連成させ、紫外線による殺菌、ウイルス不活化の最適なプロセスを予測するシミュレーション技術を提供する。
同社の照明解析ソフトウェアは、紫外線の照度分布を可視化、計算できる。また、流体解析ソフトウェアでは、空間や水流での紫外線照度の減衰、増加の計算が可能だ。これらを利用することで、物質表面や空間、流体における紫外線照射量の予測、空気中や水中を漂う細菌、ウイルスへの照射量と不活化率の算出が可能となる。
これまでの紫外線による殺菌技術では、紫外線照射の際、陰になる部分で殺菌漏れが生じたり、光の当たりやすさによって必要な照射時間が異なったりといった課題があった。紫外線照射のシミュレーション技術を活用することで、殺菌漏れ箇所の有無や照射量を設計の早い段階で予測可能になる。これにより、殺菌装置の製品開発期間の短縮や、コスト削減効果が期待できる。
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