機械系CAE国内市場規模予測、2020年は860億円と新型コロナの影響で伸び悩み:CAEニュース
矢野経済研究所は、機械系CAE市場についての調査結果を発表し、2020年の国内市場規模は860億円と伸び悩むと予測した。新型コロナウイルス感染症の影響などにより、2021年は698億円とさらなる厳しい数字を予測する。
矢野経済研究所は2020年7月20日、機械系CAE市場についての調査結果を発表し、2020年の国内市場規模は860億円と伸び悩むと予測した。
2019年の事業者売上高ベースの国内市場規模は、前年比6.9%増の837億1600万円だった。2020年は860億2500万円となり、前年比2.8%増と伸び率は低下すると予測する。
製造業における新型コロナの影響、クラウド活用加速も
2019年は国内景況感が良く機械系CAE市場も堅調だったが、2020年に入り新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響などによる経済活動の落ち込みが顕著となっている。製造業全体も影響を受け、特にこれまで機械系CAE市場をけん引してきた自動車産業の業績の落ち込みが大きい。一方で、予算決定時期が感染症まん延前であったため、マイナスの影響はまだ小幅にとどまっている。
また、テレワークの推奨により多くの設計者たちが在宅勤務になり、エンジニアリング領域においても今後クラウドコンピューティングが一気に普及する見通しだ。これまで対面のコミュニケーションを重視する日本では普及が進まなかったテレワークが定着し、CADデータのビュワー、VR(仮想現実)といったツールの利用が拡大すると予測する。
2021年は引き続きコロナ禍の影響で設備投資が大きく減少するため、前年比18.9%減の698億円と予測する。その後、製造業の幅広い業種において徐々に回復し、機械系CAE国内市場も好転に向かうとみられる。
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