Webブラウザから接続可能に、MATLABとSimulinkの最新バージョン「R2020b」:組み込み開発ニュース
MathWorksは、MATLABおよびSimulink製品ファミリーの最新バージョン「Release 2020b(R2020b)」を発表した。グラフィックスやアプリケーションの作業を単純化する機能が追加され、アクセスのしやすさや処理能力も向上している。
MathWorksは2020年9月22日、MATLABおよびSimulink製品ファミリーの最新バージョン「Release 2020b(R2020b)」を発表した。同バージョンは、ダウンロードによる提供が既に開始されている。
MATLAB R2020bには、グラフィックスやアプリケーションの作業を単純化する機能が加わった。Simulink R2020bは、Webブラウザから接続可能な「Simulink Online」が搭載されたほか、処理能力が向上した。
さらに、新製品の追加やアップデートが実施されている。AI(人工知能)やディープラーニング向けの新製品として、FPGAやSoC上でディープラーニングネットワークをプロトタイプ化して実装できる「Deep Learning HDL Toolbox」が追加された。
自律システム向けの新製品として、LiDAR(ライダー、Light Detection and Ranging)処理システムの設計や解析、テストが可能な「Lidar Toolbox」、無人航空機(UAV)やドローンアプリケーションの設計、シミュレーション、テストをサポートする「UAV Toolbox」を追加している。複数センサーからのデータを融合し、ナビゲーションシステム設計に生かせるツール「Sensor Fusion and Tracking Toolbox」は、アップデートでオブジェクトの追跡機能や軌跡の作成機能が追加された。
自動車向けでは、道路ネットワークをHDマップから自動生成する新製品「RoadRunner Scene Builder」が追加された。他に、AUTOSARソフトウェアの設計ツール「AUTOSAR Blockset」は、ARXMLファイルのインポートとエクスポート、AUTOSARに準拠したCコードの生成にスキーマバージョン4.4が使用可能になった。また、AUTOSAR Adaptive実行ファイルの作成に有用なLinux実行ファイルも提供する。
仮想3D環境での車両運動をモデル化するツール「Vehicle Dynamics Blockset」のアップデートでは、3つの車軸を持つ車両を実装する機能と、仮想3D環境でトラクターやトレーラーを可視化する機能を備えるSimulink 3Dブロックが加わっている。
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