構想をカタチに! 「ポンチ絵」に必要な3つの心得と3D CADによる設計:ステイホームでDIYを極める! 玄人志向なモノづくり(3)(4/4 ページ)
ステイホームで注目を集める「DIY」をテーマに、設計から製作までのプロセスを、実際の製造業におけるモノづくりの視点を交えながら解説することで、DIY素人の皆さんに“玄人のエッセンス”を伝授する。第3回では、頭の中の構想を具現化する際に用いる「ポンチ絵」の作成と、3D CADによる設計アプローチについて取り上げる。
L型金具を描き足す
L型金具の板厚を1.6mmと想定し、あらかじめシートメタル規則に「鋼の1.6mm」のルールを作っておきます。そして、図18のような開いたスケッチを描きます。
「フランジ」コマンドで、L型金具の外形を作ります。
この場所ではネジ止めの邪魔になるので、移動/コピーを使って位置を調整します。この作業を繰り返して、4つのL型金具を作ります。
シャフト固定台とその背板を固定するための、ネジを通す穴を作ります。
次に、L型金具に長穴を作ります。
金具の長穴が出来上がると、どこに金具固定用の穴を開ければよいかが見えてくるので、L型金具の長穴を基準にしてネジを通す穴を作ります。このとき、実際の組み立て時に高さの微調整が利くように、作ろうとする穴を長穴の上方にある円弧の中心に合わせるのではなく、1〜2mm程度下げておきましょう。
土台板には木材を使用する計画ですが、木質によっては、先にネジ径よりも細い穴を開けておく必要があるので、その穴も描き加えておきます。
この後、スライドユニットを挿入するのですが、“名無しのデータ”が相手では部品挿入ができませんので、ここまで作ったデータに名前を付けて保存しておきます。
以上で今回の解説は終了です。続きは次回ということで、またお会いしましょう! (次回へ続く)
Profile
藤崎淳子(ふじさきじゅんこ)
長野県上伊那郡在住の設計者。工作機械販売商社、樹脂材料・加工品商社、プレス金型メーカー、基板実装メーカーなどの勤務経験を経てモノづくりの知識を深める。紆余(うよ)曲折の末、2006年にMaterial工房・テクノフレキスを開業。従業員は自分だけの“一人ファブレス”を看板に、打ち合せ、設計、加工手配、組み立て、納品を一人でこなす。数ある加工手段の中で、特にフライス盤とマシニングセンター加工の世界にドラマを感じており、もっと多くの人へ切削加工の魅力を伝えたいと考えている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ポンチ絵
ポンチ絵とは? その概要や基礎を分かりやすく解説するメカ設計者のための用語辞典。 - 作りたいモノをよく観察し、市販部品をうまく活用しながら構想を練っていく
ステイホームで注目を集める「DIY」をテーマに、設計から製作までのプロセスを、実際の製造業におけるモノづくりの視点を交えながら解説することで、DIY素人の皆さんに“玄人のエッセンス”を伝授する。第2回では、オリジナル「カメラスライダー」の製作をテーマに、実現方法のイメージを膨らませていく。 - 最低限そろえておきたいDIYツール一式とコストに関する考え方
ステイホームで注目を集める「DIY」をテーマに、設計から製作までのプロセスを、実際の製造業におけるモノづくりの視点を交えながら解説することで、DIY素人の皆さんに“玄人のエッセンス”を伝授する。第1回は、最低限そろえておきたいDIYツール一式とコストに関する考え方について取り上げる。 - ママさん設計者がやさしく教える「部品図の描き方超入門」
ファブレスメーカーのママさん設計者が製図初心者向けに、「部品図」の描き方を分かりやすく解説。机上の学習も大切だが、実際に自分の手で図面を描いてみることが何よりも大切だ! - 加工方法を知らずに絵を描いていて不安にならないの?
設計者でも知っておくべき部品加工技術をテーマに、ファブレスメーカーのママさん設計者が、専門用語を交えながら部品加工の世界を優しく紹介する連載。第1回は「設計者がなぜ、部品加工技術について知っておかなければならないのか?」をテーマに解説する。 - ヒトと同じで個性それぞれ、材料だって適材適所!
ママさん設計者と一緒に、設計実務でよく用いられる機械材料の基本と、試作の際に押さえておきたい選定ポイントと注意点を学んでいきましょう。今回は「試作とは何か」から話を始めつつ、いろいろな機械材料があることを紹介していきます。