副業者の半数が届け出なし、半数以上がセキュリティ研修を「受けていない」:キャリアニュース
フクスケが、「副業、複業に関する実態調査」第二弾の結果を発表した。会社に副業の届け出をしている副業者は50%で、情報漏えい被害などのセキュリティ研修については55.3%が「受けていない」と回答した。
クラウド型副業制度サービスを提供するフクスケは2020年8月31日、「副業、複業に関する実態調査」第2弾の結果を発表した。
前回(第1弾)の調査では、「就業者の26%が会社の許可をとらない副業(伏業)経験者」という結果が得られたという。これを踏まえて、今回の調査では副業の届け出をしない理由や制度の不全原因などについて調べた。調査対象は、副業経験のある22〜50歳の会社員で、600のサンプルを得た。
初めに、会社に副業の届け出をしているかを尋ねたところ、50%が「はい(届け出をしている)」と回答した。会社に副業制度があるかについては、「副業制度がある」の回答は43.0%で、副業経験者が所属する会社の半数以上は、副業制度が存在しないことが明らかになった。なお、勤務先に副業制度があるにもかかわらず副業を届け出ていない人を調べると、258人中65人(約25%)いた。
会社に副業を届け出しない理由の1位は、「プライベートでの副業を知られたくない」だった。2位は「告知されていない」、3位は「会社が副業解禁していないため」となっている。
セキュリティ研修を受けていない副業者が半数以上
続いて、副業者の情報セキュリティに関するリテラシーについても調べた。情報漏えい被害などのセキュリティ研修を受けているかについては、「いいえ(受けていない)」が55.3%を占めた。また、会社に副業の届け出をしておらず、情報セキュリティ研修も受けていない人は、300人中212人(70%)いた。
「副業先で知り得た情報を本業先でも利用していますか」という問いに対しては、「いいえ(利用していない)」が77.2%を占めた。
フクスケは、副業者が十分なリテラシーを得ていない状態で企業が副業を解禁すると、情報漏えいのリスクや、副業先から本業先へのコンタミネーションリスクにつながる危険性を指摘している。
法務に関するリテラシー調査では、副業をする際、契約書を交わさないで仕事に取り掛かったことがあるかについて「はい(契約書なしで副業を始めた)」が52.2%だった。
また、反社(反社会的勢力)チェックを何かしらの形で行っているかを尋ねたところ、「はい(チェックしている)」と回答した副業者は半数以下の36.5%だった。NDA(秘密保持契約)については、副業する際にNDAを結んで仕事をしていると回答した副業者は26.8%にとどまった。
一方、情報漏えい被害などのセキュリティ研修を受けている人に尋ねた結果では、反社チェックをしている人が63%、NDAを結んでいる人は48%となっており、比較的割合が高かった。
税務に関しては、「確定申告など税務周りにおいて、税理士に依頼または自分で理解し把握できていますか」という質問に、40.3%が「いいえ(把握できていない)」と回答。また、どこから副業の紹介があったかを尋ねたところ、「自身で営業」(44.3%)が最も多かった。小差で「友人からの紹介」(41.9%)が続いている。
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