隙間時間で働きたい人のための「シェアフル」を提供、日本企業の副業解禁への後押しも:キャリアニュース
ランサーズとパーソルホールディングス(パーソル)は2018年11月13日、オンデマンドマッチングプラットフォーム「シェアフル」を提供すると発表した。2019年1月以降、事前登録受付を順次開始する。新プラットフォーム運営のため両社の合弁会社となるシェアフル株式会社も2019年1月に設立する。
ランサーズとパーソルホールディングス(パーソル)は2018年11月13日、オンデマンドマッチングプラットフォーム「シェアフル」を提供すると発表した。2019年1月以降、事前登録受付を順次開始する。新プラットフォーム運営のため両社の合弁会社となるシェアフル株式会社も2019年1月に設立する。
ランサーズはフリーランスの顧客獲得支援やクラウドソーシングサービスなどを提供。フリーランスのためのマーケットプレース「Lancers」、エンジニアやデザイナーに特化した仕事紹介サービス「Lancers Top」などを運営する。パーソルは人材派遣サービス「テンプスタッフ」、転職サービス「doda」、アルバイト求人情報サービス「an」などを展開する。
シェアフルは「スキマ時間を価値に変える」をテーマにした、1日単位の契約など短期間かつ短時間の雇用に特化した、人材マッチングサービスである。専業主婦やフリーター、学生、副業可能な会社員などを対象とする。ランサーズのクラウドソーシングサービスの技術と知見、パーソルグループの企業が保有する登録求職者850万人および取引企業2万8000社のマッチングデータベースを活用して運営する。同サービスの対象職種は、事務や販売・飲食関連。技術系や製造系については、当面の計画としてはないが、検討範囲ではあるということだ。
ユーザーがスマートフォン専用アプリ(iOSおよびAndroid版)経由で希望の時間を登録すると、その時間内で対応できる仕事の候補が表示される。ユーザーは自分が希望する時給を提示することが可能だ。
企業側はWeb上のマイページで求人情報を簡単かつ素早く掲載し、条件にマッチする人材を探すことが可能だ。就業条件明示や勤怠管理、給与計算などのオペレーションもシェアフルに委託することも可能だ。
ユーザーの採用状況や職務履歴、スキル、勤務態度などのデータはクラウドサービス内に蓄積され、分析データをマッチングの精度向上に役立てる。ユーザーは働いたきりで終わらず、自分自身のキャリアをサービス内で蓄積して可視化することで、携わりたい仕事への距離を縮められ、賃金アップなどにつなげることができる。仕事の値付けについても市場において適正な価格になるよう常に分析し、調整していく。
採用側の企業は、人材採用や管理面の工数を削減しながら、マッチング効率や成約数を向上させることが狙える。AI(人工知能)を用いて、雇用者と企業がともに調整しやすいシフトパターンを予測および提示する仕組みも提供する。
日本において今後の労働人口不足の加速が見込まれる一方、フリーランス人口が増加している。パーソル総合研究所と中央大学による「労働市場の未来推計2030」においては、2025年に505万人、2030年に644万人の労働人口が不足すると予測している。ランサーズによる「フリーランス実態調査2018」によれば、フリーランスは1119万人であり、直近4年間でも大幅に増加しているという。さらに総務省統計局「労働力調査 平成30年4〜6月期」によれば、187万人が就労時間の追加を希望しているというデータが出ている。
同じく総務省統計局「労働力調査/詳細集計 全都道府県 結果原表 全国」の2017年1月〜12月(四半期単位のデータ結合)によれば、顕在化している短期間の仕事のうち、事務や販売・飲食関連の比率は28%にとどまっていた。パーソルプロセスアンドテクノロジーによる調査「テンプスタッフ就業中スタッフへの副業意向アンケート」によれば、就業中の派遣スタッフの75%が副業を希望しているということだ。
2018年6月のゼネラルリサーチによる「副業に関する意識調査」では、個人が副業をしない要因として、「やりたい仕事が見つからない」ことが最も割合が大きかった。
これらを背景として2社は、個人が短期間かつ短時間で自分の希望や経験に合った仕事を柔軟に選択でき、一方企業は必要な時に必要な分の労働力を迅速に獲得できるマッチングプラットフォームを立ち上げるに至る。
日本国内においては副業禁止の企業が非常に多い現状である。シェアフルの運営が国内企業の副業解禁への動きの強い後押しとなり、ひいては労働者が自由かつ多様な働き方を選択できる社会の実現を支援したいということだ。
シェアフルは提供開始1年以内に月間1万ユーザー、5年以内に月間10万ユーザーの利用を目指す。
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