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既存の製造ラインにそのまま設置、40%小型化したエキシマ照射装置:FAニュース
ウシオ電機は、部品のドライ洗浄や親水化、接着性を向上させる小型エキシマ照射装置「HPV-ST」シリーズの販売を開始する。従来型より40%小型化することで既存の製造ラインにそのまま設置でき、品質向上に貢献する。
ウシオ電機は2020年7月28日、部品のドライ洗浄や親水化、接着性を向上させる小型エキシマ照射装置「HPV-ST(ハイパーブイエスティ―)」シリーズを同年8月に発売すると発表した。300mmタイプ(ランプハウス寸法500×160×300mm、重さ13kg)と550mmタイプ(750×160×300mm、17kg)を用意している。
HPV-STは、自動車部品やスマートフォン製造プロセスにおける接着、封止工程の前処理用に利用される。従来方式で課題だった装置サイズの大きさなどを解決しており、既存の製造ラインにそのまま設置可能だ。コストを抑えながら洗浄や接着プロセスの課題を解決し、品質向上や歩留まり改善にも貢献する。
独自のオゾン排気構造の採用により処理室構造を大幅に簡素化し、ユーティリティーを電源と排気のみにすることで設置、搭載負荷を低減。また、高出力で露光量の大きな大型扁平ランプ「HPV」シリーズを踏襲しており、少ない設置面積と設備投資で効率的な処理ができる。
機能の最適化により、重量を13kg(300mmタイプ)と軽量化し、1人で作業ができる。さらに、ランプ長手、奥行方向を従来製品比で40%小型化しており、レイアウトの自由度が向上した。環境負荷が少なく、瞬時にオン、オフができ、周囲温度にも左右されない完全水銀フリーの光源を使用する。
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