黒色塗装面や光沢面を高精度に、3Dスキャナーの弱点を克服した「MetraSCAN 3D」:3Dスキャナーニュース(2/2 ページ)
アメテック クレアフォーム事業部(Creaform)は2020年8月4日、都内で新製品3Dスキャナー「MetraSCAN BLACK」に関する記者発表会を開催し、製品概要の説明と併せて、実機によるデモンストレーションを披露した。
据え置き型3次元測定機とハンディー3Dスキャナーの間を狙う
製品概要の説明とともに行われたデモンストレーションでは、新製品における3Dスキャンがどれだけ高速化されたかを、従来製品の「MetraSCAN 750」での作業と比較して見せた。なお、比較対象となるMetraSCAN 750は7本の赤色レーザーを搭載し、測定点数は1秒当たり48万点。デモンストレーションでは、車両のドアとクロームメッキが施されたホイールのスキャンを実施した。
新製品の主なターゲットは、製造業における品質管理、試作設計、生産技術であるという。専用ソフトウェアモジュールを用いて3D CADから検査項目を作成できる他、CADデータをマスターとして測定データとの形状比較も行えるなど、測定作業や分析、書類作成の効率化が図れる。また、出荷前のバーチャルアセンブルにも活用できるとのことだ。
新製品は3Dスキャナーであるとともに、「CMM:Coordinate Measuring Machine」、いわゆる“3次元測定機”であることをうたっており、「据え置きタイプの3次元測定機と3Dスキャナーの間」の高精度測定ニーズを狙っているという。
同社 クレアフォーム事業部 セールスマネジャの井原寧氏は、「3次元測定機は据え置きなので任意の現場に持ち運んでの測定ができず、かつ大物や入り組んだ形状の測定にも不向きである。また、ハンディータイプの3Dスキャナーは持ち運びができるものの、容積精度に乏しく、測定物が大きくなるほど精度は不利になる。MetraSCAN BLACKは持ち運びができ、かつ測定精度(測定解像度)も0.025mmであり、両者の弱点をカバーする存在である」とアピールする。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「3Dスキャナ」の進化を支える4つのトレンド
ローランド ディー.ジー.主催のモノづくりセミナー「Experience Day3」(東京会場)に登壇したデータ・デザイン セールスユニット セールスG マネージャー 日尾紀暁氏の講演から、3Dスキャナの市場動向や最新トレンドなどを紹介する。 - ポータブル光学式CMMスキャナーの最新バージョンを発売
Creaformは、ポータブル光学式CMMスキャナー「MetraSCAN 3D」の最新バージョンを発売する。従来比4倍の解像度とスキャン速度を備え、製造現場ですぐにメトロロジーグレードの3D測定と検査を実施できる。 - Creaformのポータブル3Dスキャナー新製品、光沢や詳細形状のスキャン精度が向上
アメテック クレアフォーム事業部は、同社の3Dスキャナー新製品「HandySCAN BLACK」および「Go!SCAN SPARK」について詳細を明かした。 - 新型iPad ProのLiDARを活用した3Dスキャンアプリ、課金なしでもフル機能
プロノハーツは、Appleが2020年3月に発売した新型「iPad Pro」のLiDARスキャナを活用し、対象物のメッシュ情報を取得してファイル出力できる3Dスキャンアプリ「pronoMeshScan」を、App Storeにて提供開始した。 - 測定品質をフィードバックする光学式3Dスキャナー、精度を40%向上
クレアフォームは、大型対象物測定に対応し精度を40%向上した光学式3Dスキャナーの新製品を発表した。 - 航空宇宙産業をターゲットとしたハイエンド3Dスキャナを販売開始
丸紅情報システムズはハイエンド非接触光学式3次元測定機/3Dスキャナ「エイトス(ATOS)」(独ゴム製)シリーズの最上位機種「エイトス トリプル スキャン 16M(ATOS Triple Scan 16M)」を販売開始する。「第26回設計・製造ソリューション展」でも展示する。