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市販の協働ロボットで力触覚の双方向伝送が可能になる遠隔操作システム:組み込み開発ニュース
モーションリブは、市販の協働ロボットを用いて力触覚を双方向に伝送する遠隔操作システムを開発した。市販の協働ロボットを活用できるため、専用装置を製作しなくても、協働ロボットが持つ安全性を生かした遠隔操作システムが構築できる。
モーションリブは2020年7月17日、市販の協働ロボットを用いて、力触覚を双方向に伝送する遠隔操作システムを開発したと発表した。同社の汎用力触覚ICチップ「AbcCore」からの指令を受けて、協働ロボットに遠隔で指令を送る仕組みだ。
AbcCoreは、市販の機器や既存システムへの組み込みが容易で、汎用性に優れる力触覚ICチップだ。力推定アルゴリズムにより力センサーを必要とせず、アクチュエーターの力加減を思い通りに制御できるリアルハプティクス技術をモジュール化しているため、力加減をリアルタイムで計測し、制御できる。
これまでは、AbcCoreを活用して遠隔操作システムを立ち上げる場合、専用装置が必要で、装置を設計、製作するための時間やコストがかかっていた。
今回開発したシステムでは、市販の協働ロボットを活用。そのため、専用装置がなくても協働ロボットが持つ安全性を生かした遠隔操作システムが構築できる。また、市販の協働ロボットの仕様によって、さまざまな出力やサイズに対応できる。
力加減を伴う動作や作業対象の感触といった力触覚データを双方向に伝送する同システムを適用することで、離れた場所からでも安全で柔軟な遠隔作業が可能となる。
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