協働ロボットの活用で溶接自動化を簡単に、ダイヘンが「UR+」に参加:協働ロボット
ユニバーサルロボットは2020年8月5日、ダイヘンが開発した溶接現場向け協働ロボットシステム「Welbee Co-R(Welbee Collaborative Robot system)」をユニバーサルロボットの周辺機器プラットフォーム「Universal Robot +(UR+)」製品として認証したと発表。国内の溶接機メーカーとしては初の認証事例だ。
ユニバーサルロボットは2020年8月5日、ダイヘンが開発した溶接現場向け協働ロボットシステム「Welbee Co-R(Welbee Collaborative Robot system)」をユニバーサルロボットの周辺機器プラットフォーム「Universal Robot +(UR+)」製品として認証したことを発表した。国内の溶接機メーカーとしては初の認証製品となる。2020年8月ごろから販売開始予定で、価格は低スパッタ方式対応が187万円(税別)、アルミ溶接対応が242万円(同)。
「UR+」はユニバーサルロボットのロボットアームの仕様やインタフェースをオープンにし、それらに準拠するエンドエフェクター(ハンド)やカメラ、センサーなどの周辺機器をデベロッパーが開発するプログラムである。
今回「UR+」認証を受けたWelbee Co-Rは協働ロボットなどのハンド部分に搭載するための自動機用溶接トーチ、溶接用電源、ワイヤ供給装置、溶接機用リモコンなどの装置で構成されるロボットシステムだ。これらをユニバーサルロボットの協働ロボットと組み合わせて簡単に使用できるようにすることで、溶接業界におけるロボット活用の障壁を下げることを目指す。
溶接業界では以前より労働力不足が問題化しており、その解決策として溶接作業に対応する産業用ロボットに注目が集まっていた。しかし、産業用ロボットは導入後に動作プログラムを組むティーチング作業が求められることが多い。これにはロボットの専門家が必要であるため、中小規模の工場にとっては導入障壁となっていた。しかし、ユニバーサルロボットの協働ロボットでは、直接ロボットアームを動かして教示訓練を行うダイレクトティーチングが可能なため、こうした課題を解消しやすい。
またWelbee Co-Rにはこの他にも、協働ロボットの扱いに不慣れな初心者でも簡単に操作できるようにするための工夫を随所に取り入れている。例えば、専用のリモコンを使うことで、溶接作業中でもアークの確認や溶接電流/電圧の調整が行える。溶接リモコンはダイヤル式のため、アークから目を離すことなく調整可能。また新人の溶接訓練中に熟練技術者がダイヤルを操作することで、アーク放電の細かな変化を新人に分かりやすく伝えるなど、教育用途での活用も期待できるという。
また、「UR+」認証を受けたことで、ユニバーサルロボットのティーチングペンダント上で溶接プログラムを作成できるが、プログラミング画面は溶接プログラムの基礎となる「溶接開始指示」「溶接開始位置」「溶接終了位置」など計10個のコマンドを組み合わせれば完了するUI(ユーザーインタフェース)設計にしている。画面上では各コマンドの説明が表示されるので、初心者でも簡単にプログラミングができるという。
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