セキュリティ強化と運用効率化を支援する施設管理ソリューション:製造ITニュース
日立ソリューションズは、ビル制御システムやIoT機器のセキュリティ強化と運用効率化を支援する、SCADAfenceのビル管理ソリューション「SCADAfence Platform」を発売した。不審な通信の発生を検知することでサイバー攻撃などを防ぐ。
日立ソリューションズは2020年7月8日、ビル制御システムやIoT(モノのインターネット)機器のセキュリティ強化と運用効率化を支援する、SCADAfenceのビル管理ソリューション「SCADAfence Platform」を発売した。価格は個別見積もりで、利用にはUbuntu Linuxサーバが必要となる。
同ソリューションは、制御システムやIoT機器のネットワーク通信を常時監視し、AI(人工知能)の振る舞い学習機能により、通常時の通信状態を学習する。それに基づき、不審な通信の発生を検知することで、サイバー攻撃などを可視化する。各種法令ガイドラインの適応状況を把握して、証跡を保存することもできるので、セキュリティ事故発生時の証跡確認が容易になる。
また、ビル管理システム内の通信内容を分析し、施設内ネットワークに接続している制御システムやIoT機器などの資産情報を自動的にリスト化。管理対象となる資産の可視化や、一元管理が可能になる。また、ネットワーク論理構成図を自動生成して直近のシステム構成を把握できたり、スコアや色分けなどで視覚的に重要度や脆弱(ぜいじゃく)性を表示させる機能も持つ。
さらに、施設内の会議室の入退室データやIoT機器から取得した施設内の温度情報を活用することで、会議室の利用状況の把握やヒートマップの作成などができ、ビルや施設の利便性の向上を図れる。
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