海外自動車メーカーの試験規格に準拠、OKIエンジが低温塩水サイクル試験開始:車載電子部品(2/2 ページ)
OKIエンジニアリングは2020年8月20日から、低温環境の中で塩水シャワーを用いてECUやPCUなど車載部品向けの低温塩水サイクル試験サービスを開始する。主に欧州、北米など海外自動車メーカーで求められる試験規格に対応することで、部品納入を行う国内サプライヤーなどからの需要を見込む。同年8月からは、高電圧用遮蔽電源システムを用いたEV/HV自動車部品の試験サービスも開始する。
EV/HV自動車向けのEMC試験サービスも開始
低温塩水サイクル試験サービスと同時期の開始を見込むのが、高電圧用遮蔽電源システムを用いたEV/HV自動車部品のEMC試験サービスだ。機器外部から飛来する電磁波などのノイズに対して、車載機器がどの程度影響を受けるかを評価する。
この試験サービスでは、試験品を内部に設置するシールドボックスに高電圧用疑似電源回路網を接続し、銅板上に置く。電源からシールドボックスに電流を流すと、ボックスに設置された高電圧用のハーネスと低電圧用のハーネス間でノイズが発生するが、これによる車載機器への影響度合いなどを調べる。なお、これらの測定方法と評価規格は総務省が定める「国際無線障害特別委員会(CISPR)の諸規格について」に含まれている「車載受信機保護のための妨害波の推奨限度値および測定法」の「付属書I」に準拠している。
近年需要が高まるEV/HVに使われるモーターやバッテリー、インバーター、DC-DCコンバーターなどの電子部品は高効率でのエネルギー消費が求められる。このため、いずれの部品も今後さらに高電圧化が進むと考えられている。これらの環境を背景にOKIエンジニアリングでは高電圧化による車載機器への電磁波影響を検査するEMC試験のニーズも高まると予想し、こうした需要に応えるために今回のサービス開始に至ったという。
立ち会い検査はオンラインで
またOKIエンジニアリングでは2020年7月から、非対面での検査立ち合いを可能にする「オンライン立ち合いサービス」を開始している。COVID-19の感染拡大を背景に、顧客から非対面、非接触での立ち会いを求める声が高まったことが背景にある。
検査の様子は移動式の三脚に設置した高画質カメラで撮影し、Teamsなどのビデオ通話ツールを使ってリアルタイムで顧客のPCに配信する。また立ち合い中に「試料の向きを変更してほしい」といった要望や疑問点があれば、現場で検査に立ち会っているOKIエンジニアリングの技術者などに音声で直接尋ねることも可能だ。
現在、塵埃(じんあい)試験や塩水サイクル試験などを含めた54種類の試験サービスで、オンライン立ち合いが可能になっているという。
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