VR設計レビュー支援システムの最新バージョンを発売:VRニュース
サイバネットシステムは、VR設計レビュー支援システム「バーチャルデザインレビュー」の最新バージョン4.0を発売した。最新版では、CAD部品データの移動履歴を保存、再生する機能や、視点の共有、追跡機能などを追加している。
サイバネットシステムは2020年7月15日、VR(仮想現実)設計レビュー支援システム「バーチャルデザインレビュー」の最新バージョン4.0を発売した。
CADデータを部品ごとに動かした履歴の保存・再生が可能に
バーチャルデザインレビューは、データ変換などの手間をかけずに3D CAD形状を直接VR空間に投影し、いつでもレビューできる。レビューには遠隔地のメンバーを含めて複数人が参加可能で、その場で情報共有できるため、設計の手戻りをなくし、メンバーが一カ所に集まる時間、コストも削減する。
最新バージョンとなる4.0では、CADデータを部品ごとに動かした履歴を保存、再生できるようになった。例えば、VR空間内で組み立て手順や機械の点検作業手順などを記録して再生することにより、現地に赴かなくてもそれらのトレーニングを安全で効率的に実施できる。
また、これまではコントローラーでVR空間を移動する場合、障害物に当たるとすり抜けていたが、最新版ではウォークスルー機能をオンにすると床面を認識して、階段などの段差を上りながら進むことができる。VR空間をスムーズに移動できるため、より没入感が高まる。
視点の登録機能も追加された。VR空間での任意の位置、向き、高さを視点として登録し、複数人が同じ視点からレビューできる。決定した視点間を移動するアニメーション機能は、工場内など、あらかじめ見学ルートが決まっている場合などに適用できる。
さらに、HTCのVR用ヘッドマウントディスプレイ「VIVE Pro Eye」に対応し、利用者の目線を可視化する視線追跡機能を追加。技術者を育成する際、熟練技術者がどこを見てレビューしているかを他の参加者が共有できるため、リモート環境でも技術伝承が可能になる。
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