プラズマクラスター空気清浄機とも連携!? シャープのスマートオフィスサービス:製造業IoT(2/2 ページ)
シャープは、同社のデジタル基盤「AIoTプラットフォーム」を用いたスマートオフィスサービス「COCORO OFFICE」の提供を開始する。オフィス向け新製品であるデジタルフルカラー複合機やNASなどのCOCORO OFFICE対応機器の導入と併せて、COCORO OFFICEを5年間利用できるIDをライセンスする方針だ。
「COCORO OFFICE」の対応機器を順次投入
COCORO OFFICE対応機器の第1弾となるのが、デジタルフルカラー複合機のBP-30C25とNASのBP-X1ST08/BP-X1ST04だ。BP-30C25は、高度なネットワーク関連機能を備えつつも、印刷速度を25枚/分に抑えることにより、COCORO OFFICEのサービス料金込みで現行のハイエンド機器とほぼ同等の価格(155万円)を実現した。BP-X1ST08/BP-X1ST04は、シャープが独自開発した高速全文ファイル検索機能を搭載するNASで、BP-30C25に付帯しない「セキュリティ」関連のサービスも利用できる。市場想定価格は約100万円だ。
これらのCOCORO OFFICE対応機器を投入した後、2020年9月から追加契約用のCOCORO OFFICE IDの提供を始める計画。現時点で価格は未定だ。また同年秋以降に、UTM(統合脅威管理)システムや、ネックスピーカー、スマートフォン、モバイルルーター、電子黒板、ノートPC、タブレット端末などの機器をCOCORO OFFICEに対応させていく方針だ。
「COCORO OFFICEは代理店に売ってもらう」
中山氏が会見で何度も言及したのが「COCORO OFFICEは代理店に売ってもらう」という事業方針である。複合機を中核とした国内のオフィス機器市場では、顧客への営業活動に加えサポートサービスなどにも対応する代理店が重要な役割を果たしている。
シャープのオフィス向け機器の国内代理店網は「複合機と通信機の両ルートを合わせると、業界で1位、2位を争うレベル」(中山氏)の規模を誇る。そこで、代理店が主導する形でCOCORO OFFICE対応機器や業務支援サービスを組み合わせて顧客に提案していくことがCOCORO OFFICEの事業戦略の中核になる。また、オフィス向けに拡充するサービスの一例として、COVID-19などのウイルス除去に役立つプラズマクラスターイオン(PCI)空気清浄機のCOCORO OFFICEへの対応や、室内光にも対応する光触媒の施工サービスなど、従来オフィス向けにはなかったものも想定しているという。
「COCORO OFFICE」が目指す方向性。PCI空気清浄機やAGV(無人搬送機)、光触媒施工サービスなど、従来オフィス向けには展開されていなかったものがラインアップされている(クリックで拡大) 出典:シャープ
中山氏は「当社の複合機事業の売上高のうち、ITサービスの比率は15%程度にすぎない。COCORO OFFICEの投入により、これを約30%まで拡大させたい」という目標を挙げている。
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