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製造業、そしてライフサイエンスへ、変革への道を切り開くダッソー3DEXPERIENCE CONFERENCE JAPAN 2020 ONLINE(2/2 ページ)

ダッソー・システムズは、オンラインイベント「3DEXPERIENCE CONFERENCE JAPAN 2020 ONLINE」を開催。“新しい価値創造のためのプロセス・創発・働き方”をテーマに、同社の事業戦略やソリューションの有効性、さらには各産業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組み、最新動向などについて発信した。本稿では基調講演の模様をお届けする。

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ビジネスを加速させるクラウド活用のメリット

Dassault Systemes,Directorのヴァンサン・フレレボウ氏
Dassault Systemes,Directorのヴァンサン・フレレボウ氏

 基調講演のテクニカルキーノートでは、ダッソーのクラウドソリューションの責任者であるDassault Systemes,Directorのヴァンサン・フレレボウ氏が登壇し、「3DEXPERIENCE on Cloud」と題して、同社のクラウド戦略とソリューションについて紹介した。


ダッソー・システムズのクラウド展開について
ダッソー・システムズのクラウド展開について ※出典:ダッソー・システムズ [クリックで拡大]

 ダッソーではクラウドソリューションの展開当初から、「SaaS(Software as a Service)」「PaaS(Platform as a Service)」「IaaS(Infrastructure as a Service)」の3つの方式によるオールインワンサービスを提供している。SaaS方式では、3DEXPERIENCEプラットフォームのプロセスやソフトウェアをサービスとして提供。PaaS方式では、3DEXPERIENCEプラットフォームの展開、管理、運用をサービスとして提供する。そして、IaaS方式では、3DEXPERIENCEプラットフォームを稼働させるために必要なインフラを必要に応じて仮想環境上のサービスとして提供。IaaSでは、パートナーとして、Outscale、Huawei(中国限定)、Amazon Web Services(以下、AWS:その他地域)などと連携したサービス提供を行っているという。

 「SaaSに着目してみると、オンプレミスよりも新サービスの活用が進んでいる。最新の『3DEXPERIENCE R2021x』の運用が既に始まっている。クラウドは単なるエントリーレベルのソリューションではなく、3DEXPERIENCEの価値を最大限に提供してくれるものだ。3DEXPERIENCE on Cloudでは、オンプレミスと同じソリューションが提供されているため、クラウドへの移行がスムーズに行える」とフレレボウ氏は述べる。

 また、IaaSについてはOutscaleと連携して、導入場所にかかわらず高度なセキュリティを確保したサービスを提供。「フランスでは最高基準のセキュリティ認証レベルに対応し、世界各国の防衛関連企業や安全保障関連の企業に対してもサービス提供が可能になった。情報セキュリティに関しても国際規格である『ISO 27001』を取得しており、世界中の企業にサービスを提供している」(フレレボウ氏)。

世界12拠点あるデータセンターについて
世界12拠点あるデータセンターについて ※出典:ダッソー・システムズ [クリックで拡大]

 現在、同社のデータセンターは世界12拠点にあり、日本にも6年前にデータセンターが設置されている。世界中にデータセンターの拠点があるため、グローバルでビジネスを展開する場合、必要に応じてデータのレプリケーションも可能で、ビジネスの拠点が変わっても同等レベルのパフォーマンスをリアルタイムで享受できるという。

 さらに、クラウドがもたらす価値について、フレレボウ氏は(1)迅速なデリバリー、(2)導入・展開の容易さ、(3)データの安全性、(4)アクセスが常時可能、(5)IT管理が不要、(6)低いTCO(総所有コスト)を挙げる。そして、これらの価値により、ユーザーは余計な制約や手間、コストなどから解放され、「本来のビジネスに集中できるようになり、組織における個人の能力も最大限に発揮される。また、イノベーションの創出やコラボレーションの実現も促進されるようになり、アジリティを後押しする」(フレレボウ氏)といったメリットが得られるようになる。

 実際の3DEXPERIENCE on Cloudの利用状況について、過去5年間の推移を見てみると、特にモビリティ産業での導入が盛んで、未来のモビリティ実現に向けたイノベーション創出やサプライチェーン連携の強化、コスト削減などに貢献しているという。「その多くがスタートアップ企業で、自動車をメインに開発しているが、それ以外の分野でも多くのスタートアップ企業が3DEXPERIENCE on Cloudを利用している。彼らの目的は、トヨタ自動車やボーイングと同じソフトウェアを使い、揺るぎないコンセプトを確立することだ。単なるアイデアに終わらせるのではなく、未来の製品、未来のエクスペリエンスを生み出そうとしている」(フレレボウ氏)。

 一方、「現在の環境を変えたくない」といった、長年「SOLIDWORKS」や「CATIA V5」を使用しているようなユーザーに対しては、デスクトップアプリケーションと3DEXPERIENCEプラットフォーム上の他のポートフォリオとの連携を実現する「POWER'BY戦略」に基づき、ネットワークを介してクラウドの価値を提供する。「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴うロックダウン(都市封鎖)の期間、この仕組みにより、多くの既存顧客がクラウドの価値を実感した。設計者やエンジニアは、クラウドプラットフォームのおかげで自宅にいながら作業を継続することができた」とフレレボウ氏は語る。

「POWER'BY戦略」を活用したクラウド連携のイメージ
「POWER'BY戦略」を活用したクラウド連携のイメージ ※出典:ダッソー・システムズ [クリックで拡大]
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