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北米と欧州で操業再開、日系乗用車メーカーの5月の世界生産自動車メーカー生産動向(2/2 ページ)

日系乗用車メーカー8社の2020年5月のグローバル生産実績は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大の影響を受け、4月に続き国内、海外ともに8社すべてが前年割れとなった。グローバル生産台数は8社全てが前年同月比で半数以下となったものの、4月と比較するとメーカーによって傾向が分かれた。

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日産、スズキ

 日産の5月のグローバル生産は、前年同月比62.6%減の15万6898台と8カ月連続で減少した。減少幅は4月から0.2ポイント悪化した。海外は同59.9%減の14万3920台で、4月より2.6ポイント改善。主力拠点のうちメキシコやスペインで稼働を再開したものの、前年同月比で9割以上のマイナス。米国は10台、英国は0台だった。

 ただ、中国は回復傾向が続いており、前年同月比2.1%増と5カ月ぶりにプラスへ転じるなど、海外生産の回復をけん引した。一方、国内は国内市場の販売低迷に加えて海外向け需要の減退などにより同78.7%減の1万2978台と16カ月連続のマイナス。減少幅も4月から16.9ポイント拡大しており、依然として厳しい状況が続いている。

 スズキの5月のグローバル生産は、前年同月比81.4%減の4万9221台と5カ月連続のマイナスだった。大幅なマイナスとなったが、減少幅は4月より改善。その結果、グローバル生産台数の順位でもトヨタ、ホンダ、日産の大手3社に次ぐ4位のポジションへ復帰した。

 海外生産は同92.7%減の1万4002台と5カ月連続で減少したものの、4月より4.4ポイント回復した。これは主力のインドで一部生産再開したことが影響した。国内生産は、国内市場や輸出需要の低迷により同52.3%減の3万5219台と2カ月連続のマイナス。ただ、減少幅は4月より12.6ポイント改善している。

マツダ、三菱自、スバル

 8社のうち最も回復傾向が表れたのがマツダだ。5月のグローバル生産は前年同月比62.9%減の4万3360台で9カ月連続のマイナス。海外は同12.0%減の2万9665台と4カ月連続で減少したものの、マイナス幅は8社中最小となった。中でも中国は同58.1%増の2万3181台と大幅に増加した。これは「マツダ3」や「CX-30」といった新型車効果によるもので、部品調達なども問題なく、残業や休日出勤などを実施して増産対応しているという。

 一方、メキシコは前年同月比98.5%減、タイは同48.4%減とCOVID-19感染拡大による影響が続いている。国内は同83.6%減の1万3695台と8カ月連続のマイナス。減少幅は4月より2.9ポイント改善したものの、台数規模としては依然として厳しい状況だ。国内販売の減少に加えて輸出需要も落ち込みが続いており、主力モデルの「CX-5」は4月に続き前年比9割超のマイナスとなった。

 厳しい状況が続く三菱自動車の5月実績は、グローバル生産が前年同月比77.3%減の2万2990台と9カ月連続の前年割れとなった。国内生産は同81.7%減の8383台で2カ月連続のマイナス。減少幅は4月から14.1ポイント広がった。国内向けでは前年に新型車効果で伸長していた「eK」シリーズや「デリカD:5」の反動減が大きいほか、北米や欧州向けの輸出も低迷しており、各工場で生産を停止した。

 海外生産も厳しく、前年同月比73.6%減の1万4607台と8カ月連続で減少。減少幅は8.7ポイント拡大した。主力のタイが同81.4%減と低水準が続くほか、市場回復が進む中国も同17.6%減と他社に比べて伸び悩んでいる。

 SUBARU(スバル)の5月のグローバル生産は、前年同月比82.2%減の1万6062台と3カ月連続で減少した。ただ、減少幅は4月より1.4ポイント改善した。国内は同77.8%減の1万1115台と2カ月連続のマイナスで、減少幅も5.3ポイント悪化した。海外は5月11日から生産を再開したものの低水準の操業が続いており、同87.7%減の4947台と3カ月連続の減少となった。

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