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軸受の異常検知装置、約7秒で小型ながら高度な診断ができる:FAニュース
NTNは、軸受の異常を検知する「NTNポータブル異常検知装置」を発表した。手のひらサイズで持ち運びや設置がしやすく、約7秒と短時間で高度な軸受診断ができるため、回転機械の定期チェックに有効だ。
NTNは2020年5月25日、軸受の異常を検知する「NTNポータブル異常検知装置」を発表した。同月から販売している。
NTNポータブル異常検知装置は、解析プログラムの最適化により、測定、解析時間が約15秒から約7秒に短縮している。また、1回の測定で、振動波形全体から実効値やピーク値などを算出する「OA(Over All)」と、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform)で求めた周波数スペクトルで入力信号を解析する「FFT」を、同時に実行できることから、回転機械の定期チェックに有効な装置となっている。
従来品からの変更点としては、解析用スマートデバイスを、AndroidからiOS対応に変更。また、これまでは別々の部品だった振動ピックアップ、電池ボックス、接続ケーブルを一体化した。防塵防水性能はIP65規格に準拠する。
41×36×87mmと手のひらに載るコンパクトサイズで、重量145gと取り扱いがより容易になった。設置方法は、測定する装置や環境に合わせて、マグネットやねじ止めなど4つの方法から選択できる。
NTNでは、NTNポータブル異常検知装置の販売に加え、同装置を使用した診断、分析レポートを提供するサービスも検討している。さらに、機械の振動測定や異常診断などに特化した技術講習会を開催するなど、予防保全に関する総合的な技術サービスを拡充していく。
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