国内第3のプラットフォーム向けITサービス市場予測、2024年5兆円規模に:製造ITニュース
IDC Japanは、国内第3のプラットフォーム向けITサービス市場予測を発表した。新型コロナウイルスの影響によるビジネスモデルや働き方の変化は、2021年以降の同市場の拡大促進要因になり、2024年には3兆9145億円に達すると予測する。
IDC Japanは2020年5月18日、国内第3のプラットフォーム向けITサービス市場予測を発表した。
第3のプラットフォームとは、クラウドコンピューティングやモバイルなどの新しいITサービスのこと。同予測によると、クラウド向け、ビジネスアナリティクス向け、エンタープライズモビリティ向け、ソーシャルビジネス向けの4分野について、各分野(分野間の重複含む)の単純積み上げの総額で、2019年には1兆7855億円に達したとみられる。
2019年は主要4分野全てにおいて2桁の高成長を遂げたが、2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、前年比の成長率が低下。しかし、依然として2桁成長率を維持するという。
2021年以降も、デジタルトランスフォーメーション(DX)関連の需要にけん引され、引き続き高い成長率を維持すると予測する。2019年〜2024年の年間平均成長率(CAGR)は26.1%で、2024年には5兆6819億円に達するとみている。ただし、予測期間の後半になるほど、4分野間での重複領域が多くなるため、実際の市場規模はこれより小さくなるとしている。
4分野のうち最大市場となる国内クラウド向け市場は、2019年の支出額が前年比34.3%増の9392億円。既存システムのクラウド移行やマルチクラウドなどの統合的なマネージドクラウドサービスなどが市場をけん引した。
新型コロナウイルスの影響によるビジネスモデルや働き方の変化は、2021年以降の同市場の拡大促進要因になるとする。そのため、2019年〜2024年のCAGRは33.0%の高成長率を維持し、2024年には3兆9145億円に達すると予測する。
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