食品や医薬品、化粧品、衣料品などの不定形物も検出できるビジョンシステム:FAニュース
ヤマハ発動機は、従来機種より最大45%、サーチ時間を短縮できるビジョンシステム「RCXiVY2+」を発表した。不定形物が検出可能で、食品や医薬品、化粧品、衣料品などの検出およびピッキングなどができる。
ヤマハ発動機は2020年5月14日、従来機種より最大45%のサーチ時間を短縮できるビジョンシステム「RCXiVY2+(アールシーエックスアイビーツープラス)」を発表した。価格はオープンで、同年6月1日に販売を開始し、シリーズ合計で年間340台の販売を見込む。価格はオープンだ。
RCXiVY2+は従来機種「iVY2」の後継モデルで、新たにブロブサーチ機能を搭載し、高性能カメラを採用、処理能力を向上した。不定形物も検出可能で、食品や医薬品、化粧品、衣料品などの検出およびピッキング、また有無検査や多数ワークの高速カウントなどができる。
ブロブサーチは、塊(ブロブ)の有無や数、面積などを検出するサーチ手法で、不定形物の検出に長けている。従来機能のエッジサーチに比べ2〜10倍の速度でワーク検出ができ、スカラロボットと組み合わせることで高速コンベヤートラッキングに対応する。
また、CPU能力の向上によりサーチ速度が8〜45%向上、高性能カメラの採用により画素数やフレームレートも向上した。さらに、簡単な操作でカメラキャリブレーションができ、ムービングカメラにも対応し、ロボットの動きに合わせて座標を自動変換する。
ワークの登録は、画像取り込み、輪郭設定、検出位置登録の3ステップで完了。254品種の登録が可能で、品種番号の変更だけで容易に段取り替えができる。
座標変換プログラムの作成は不要で、ロボットプログラムで一元管理が可能。「RCXiVY2+ Studio」および外部モニターで、自動運転中のサーチ状況や、キャリブレーション設定中の基準マークのサーチ状況のモニタリングができる。外形寸法は45×195×130mmで、重量は0.8kgだ。
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