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あなたが品質管理で果たすべき役割は何か実践! IE:現場視点の品質管理(3)(1/5 ページ)

製造現場で実施する製品管理を中心とした品質管理の基本を解説する。組織における品質管理の在り方から先人の教訓まで、筆者の経験とノウハウを紹介。

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 IEにおける「品質管理」の考え方や取り組み方を紹介する本連載「実践! IE:現場視点の品質管理」ですが、今回は製造現場における品質管理の基本と、組織としての品質管理の在り方について、紹介します。

⇒前回(第2回)はこちら
⇒連載「実践! IE:現場視点の品質管理」バックナンバー



1.品質管理の基本理念

 製品品質の生い立ち(設計から製造工程に至る過程で作られた品質)は、その製品の一生を支配しますので、良い製品を作り出すことこそ品質管理の根本理念でなければなりません。従来、私たちは“不良撲滅”をモットーに品質管理を推進してきましたが、不良撲滅の根本は、“不良を発生させない”ことであり、不良品の発生を工場内のあらゆる部門で予防するという原則こそが品質管理の源です。その品質管理活動の基本的な考え方は、以下の通りです。

(1)品質管理の根本は技術向上にある

 品質管理の基本は、品質に関する情報(単に、性能的な品質のみではなく、不良、事故、故障、実験結果などの全ての情報を含む)を品質向上や技術向上に有効に結び付けることにあります。このとき、基礎技術や管理技術などを結集して積極的に品質向上に努力することこそが最良の「品質管理活動」であるといえます。

(2)品質管理は、製品の品質を維持することである

 品質管理は、顧客に対して品質の信頼性を保証することであるといえます。このために、不良品を次工程(お客さま)に送らないという強い信念に徹して行動していくことが大切です。

(3)管理は、“標準”があって初めて可能となる

 標準は、その時点の技術水準を現しています。従って、標準は常に改善(改訂)され続けていなければなりません。品質管理活動は、まさに、標準化に始まり標準化に終わるともいわれるほどの重要なことです。換言すれば、標準のないところに、品質改善活動はあり得ないのです。

(4)品質管理は、経営の合理的運営の要素である

 品質管理は、生産性の向上や原価低減などの具体的な経営効果を上げるものでなくてはなりません。

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