2万ダウンロードを記録した「3Dマスク」を製品化、夏に向けた新製品も企画:3Dプリンタニュース
イグアスは、ポリプロピレン製で何度も洗って繰り返し利用可能な「イグアス3Dアウターマスク」の販売開始を発表した。販売価格(税別)は1セット800円で、アウターマスク(1枚)、インナー用不織布(50枚:25回分)、ゴムひも(2本)、取扱説明書が含まれる。
イグアスは2020年6月8日、ポリプロピレン(PP)製で何度も洗って繰り返し利用可能な「イグアス3Dアウターマスク」の販売開始を発表した。
同製品は、同社が同年3月に設計データを無償公開した3Dプリンタ製マスク「3Dマスク」を製品化したもので、同社事業ブランド「HBS(Health、Beauty&Smile)」の下、ECサイト「サプライズバンクドットコム」を通じて販売される。
販売価格(税別)は1セット800円で、アウターマスク(1枚)、インナー用不織布(50枚:25回分)、ゴムひも(2本)、取扱説明書が含まれる。アウターマスクのサイズは男女兼用(横145×縦105mm)で、カラーはホワイトのみ。アウターマスクの内側にインナー用不織布をセットし、耳に掛けるゴムひもを取り付けることですぐに使用できる。一般的な使い捨てマスクのように都度廃棄することなく、インナーのみ交換することで繰り返し使用可能で、衛生的かつ経済的に使用できるとする。
なお、今回製品化した同製品の一部を、同社本社のある神奈川県川崎市および保育園などの施設に寄付することも決まっている。
「3Dマスク」のダウンロード数は2万件以上
同年3月に無償公開した3Dマスク(の設計データ)のダウンロード数は2万件以上に上り、製品化を希望する声も多数寄せられたという。同社は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の完全終息までの間、引き続きマスクが必需品となることを見据え、品不足解消の一環として製品化を決定した。
製品化に当たっては、微粒子可視化システムを使用したくしゃみの飛沫試験も実施。同製品が、くしゃみによる液滴の飛散抑制に効果を発揮することが確認できたという。
同社は、今後COVID-19の第2波も懸念されるため、家庭での日常利用の他、企業や教育機関などの備蓄用として同製品の利用を推奨する。また現在、同社は気温が上昇する夏に向けて、より快適な装着感を備えた新モデルの企画を進めるとともに、利用者の声を反映した改良版や新デザインなど、マスク製品のラインアップ拡充を図っていくとしている。
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