シングルペアイーサネットの開発推進に向けアライアンス発足、IoT実装に向け:FAニュース
PHOENIX CONTACTなどの企業が連携し、「SPE System Alliance」を発足した。同アライアンスは、シングルペアイーサネットをIIoTに実装する際の課題を解決するため、参加企業が専門知識を持ち寄り、協力し合うオープンプラットフォームとなる。
PHOENIX CONTACT(フエニックス・コンタクト)は2020年4月28日、シングルペアイーサネット(SPE)テクノロジーのアライアンス「SPE System Alliance」の発足について発表した。
SPE System Allianceは、同社とWeidmüller、Reichle&De-Massari(R&M)、Fluke Networks、Telegärtnerの提携により発足した。参加企業各社がSPEの専門知識を持ち寄り、IIoT(産業向けモノのインターネット)にSPEを実装する際の課題を解決するため協力し合う場であり、市場やアプリケーションについて情報交換するためのオープンプラットフォームとなる。
SPE System Allianceが対象とするアプリケーションや分野は、自動車やビルオートメーション、産業用ケーブル、センサー、オンライン教育など多岐にわたる。SPEのさらなる開発に向け、今後は他の産業分野にも展開していく。
参加企業として、Datwyler、Kyland、Microchip Technology、Rosenberger、SICK、O-Ring、Draka/Prysmian Group、University 4 Industryが名を連ねる。これらの企業は、既に接続技術や標準化、SPE用途の報告、ケーブルソリューションなどにおいて協力している。
業界やアプリケーションを問わず開かれた同アライアンスは、SPEに携わる多くの企業が抱える課題や疑問に焦点を当てるもので、今後、SPEの全エコシステムに関わる企業の参加が見込まれる。
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