ルノー日産三菱、プラットフォームだけでなくアッパーボディーも標準化:製造マネジメントニュース
日産自動車とRenault(ルノー)、三菱自動車は2020年5月27日、オンラインで会見を開き、モデルあたりの研究開発費や設備投資を平均で40%削減する商品開発体制を発表した。
日産自動車とRenault(ルノー)、三菱自動車は2020年5月27日、オンラインで会見を開き、モデルあたりの研究開発費や設備投資を平均で40%削減する商品開発体制を発表した。
新製品の開発にあたって、これまでプラットフォームを対象に進めてきた標準化をアッパーボディーにも適用する。車両セグメントごとにリーダーとなる会社が「マザービークル」を開発し、リーダー以外の会社(フォロワー)は姉妹車種を展開する。地域ごとにリーダーとなる会社も決めた他、技術開発の領域においても分野ごとにリーダーを立てる。リーダーを定めることで、責任の所在を明確にする考えだ。
プラットフォームやパワートレインの合理化も継続し、さらなるコスト削減を図る。北米や中国で展開する専用車種を除いて、モデル数は2025年までに2割減らす。この体制で開発、生産するモデルは2025年までに全体の50%近くを占める見通しだ。
これまでプラットフォームのモジュール化戦略として、「CMF(コモンモジュールファミリー)」のAセグメントとBセグメントはルノーが、CセグメントとDセグメントを日産が担当してきた。軽自動車、EVもアライアンス内でプラットフォームの共有が進んでいる。CMFではプラットフォームを対象としてきたが、アッパーボディーまで標準化を進め、共用できる範囲を増やす。会見では「ステアリングの裏側まで共通化する」とルノーの責任者などがコメントした。
すでにバンやピックアップトラックではマザービークルと姉妹車種の戦略が取り入れられており、乗用車にも取り組みを広げる。会見では主にB、Cセグメントのマザービークルの担当について説明した。CセグメントのSUVは日産が担当し、2025年以降に向けたモデル刷新を進める。BセグメントのSUVはルノーで、2025年までに欧州向けの新型車を投入する。電気自動車(EV)を含めたBセグメントの将来モデルの開発はルノーが担当する。
南米向けのBセグメントは、既存の4つのプラットフォームを1つに集約し、ハッチバックとSUVで合計7車種を展開する。現状では、ルノーと日産の合計4つのプラットフォームで「キャプチャー」や「マーチ」「キックス」を展開している。軽自動車における日産と三菱の協業のような取り組みを、東南アジアと日本でさらに行うことも検討している。日産自動車 社長の内田誠氏は「車種について誰かがリードしていて何もしていないメンバーがいるのではない。クルマの中身にこれまでと今後の協力の成果がある」と語った。
地域ごとの担当は、日産が中国と北米、日本を、ルノーは欧州やロシア、南米、北アフリカを、三菱自動車がASEANとオセアニアをカバーする。各社はリーダーを務める地域での競争力向上に注力するとともに、他のメンバーが競争力を高めるための見本としての役割も果たす。
技術開発についてもリーダーを指名する。日産が担当するのは、運転支援技術と中国向けコネクテッドカー、EVだ。ルノーはAndroidベースのコネクテッドカーとE/E(電気電子)アーキテクチャ、CMFのA、Bセグメント向けの電動パワートレインを主導する。三菱はC、Dセグメント向けのプラグインハイブリッドシステム(PHEV)を担当する。
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