電動アクスルの市場は2035年に293倍に拡大、需要の中心は150kW:電気自動車
富士経済は2020年5月14日、電動アクスルの市場調査結果について発表した。2035年には市場規模が2019年比293.4倍の1467万台に拡大する。2019年の時点では市場全体で5万台、このうち中国が4万台という規模だが、中国を中心に需要が拡大し、欧州などでも市場成長が見込まれるとしている。
富士経済は2020年5月14日、電動アクスルの市場調査結果について発表した。2035年には市場規模が2019年比293.4倍の1467万台に拡大する。2019年の時点では市場全体で5万台、このうち中国が4万台という規模だが、中国を中心に需要が拡大し、欧州などでも市場成長が見込まれるとしている。
電動アクスルは、駆動用モーターとインバーター、減速機やデフ、ハウジングなどのギアボックスを一体化したものを指す。調査は、ハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)、電源電圧が48VのマイルドHVシステムの乗用車に搭載される電動アクスルやインホイールモーターを対象とした。電動パワートレインの小型軽量化や部品点数の削減、電動車の開発効率化につながるため、電動アクスルは需要拡大が見込まれている。
2019年から中国を中心に市場が形成されており、短期的には中国が需要をけん引するとしている。中国の現地自動車メーカーのパワートレイン開発が日米欧よりも遅れており、電動アクスルの開発を全面的に外部委託するなど採用が進んでいる。当面の需要は限定的で、2024年ごろまでは量産効果による大幅なコスト削減は難しいという。中国勢の採用に加えて、欧州自動車メーカーが48VマイルドHVで採用を増やすため、2025年には電動アクスルの市場規模が100万台を超える見通しだ。さらに市場が急拡大し、2035年には1467万台に上ると言う。新興国向けの低価格なHVの普及も電動アクスル市場をを後押ししそうだ。
出力ごとに市場を見ると中国向けの150kWが中心で、今後参入するサプライヤーもこのクラスをターゲットとする。中・小型SUVの電動化で、需要が高まる。出力99kWまでの小型モーターは、4WD車の前後輪に装着する用途の他、48VマイルドHVで搭載が進む。150kW以上の高出力モーターは、加速や速度を求められるスポーツタイプなどに限定される。
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