NTNのインホイールモーターが量産EVで採用、2023年に年産30万台に:電気自動車
NTNは、インホイールモーターの駆動システムと車両制御技術に関して、中国の新興自動車メーカー長春富晟汽車創新技術(FSAT)とライセンス契約を締結した。
NTNは2018年4月19日、インホイールモーターの駆動システムと車両制御技術に関して、中国の新興自動車メーカー長春富晟汽車創新技術(FSAT)とライセンス契約を締結したと発表した。
FSATは2019年からインホイールモーターを採用した電気自動車(EV)を量産し、2023年には年間30万台の生産を計画している。NTNは中国の拠点から技術的な支援を行う。FSATの生産が年間30万台規模に拡大することにより、NTNはライセンス料として約70億円を得る。
FSATは、自動車メーカー出身者が2017年10月に設立した新興メーカー。現地の自動車メーカーの出資を受けている。2019年に量産するのは5人乗りのEVだ。ボディーにCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を、シャシーにはアルミニウムを採用して軽量化を図った。電池容量が50kWh、走行距離は450kmで、車両重量は1300kgに抑えた。日産自動車のEV「リーフ」と比較すると車両重量は100kg以上軽い。外形寸法は全長4600×全幅1800×全高1500mmで、ホイールベースは2630mmだ。
駆動方式はインホイールモーターを2基採用した前輪駆動となる。最高出力は35kW×2、最大トルクは704Nm×2だ。最高速度は時速150km。
NTNが提供するインホイールモーター駆動システムは、マクファーソンストラット方式サスペンションのレイアウトでの組み付けが可能で、足回りにEV専用の新規設計を必要としない点が特徴だ。また、減速機を採用して駆動システムの小型化と軽量化を図るとともに、空冷式とすることで機構を簡易化している。
駆動輪ごとに制御できるインホイールモーターの特徴を生かしたABS(アンチロックブレーキシステム)やESC(横滑り防止制御)、トラクションコントロールやヨー制御の技術もFSATに提供する。左右の車輪に駆動力の差を生じさせ、ヨーモーメント(車両が旋回しようとする力)を高精度に制御する。車両の挙動が不安定になった場合にもアシストして安定性を維持する。
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