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日本電産は売上半減でも営業黒字の体制へ、20年度は増益を宣言製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

日本電産は2020年4月30日、2020年3月期通期(2019年4月〜2020年3月)の決算を発表した。連結売上高は前期比4.0%増の1兆5348億円となり、過去最高を更新した。営業利益は同14.6%減の1103億円、当期利益は同45.4%減の601億円で増収減益となった。減益要因となったのは、自動車の駆動用モーターの開発と生産立ち上げに向けた追加の先行投資140億円や、買収の一時費用30億円、冷蔵庫向けコンプレッサー事業の譲渡などに関わる損失157億円などだ。

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日本電産の永守重信氏(クリックして拡大)

 日本電産は2020年4月30日、2020年3月期通期(2019年4月〜2020年3月)の決算を発表した。連結売上高は前期比4.0%増の1兆5348億円となり、過去最高を更新した。営業利益は同14.6%減の1103億円、当期利益は同45.4%減の601億円で増収減益となった。減益要因となったのは、自動車の駆動用モーターの開発と生産立ち上げに向けた追加の先行投資140億円や、買収の一時費用30億円、冷蔵庫向けコンプレッサー事業の譲渡などに関わる損失157億円などだ。

 2021年3月期(2020年4月〜2021年3月)の業績見通しについては、売上高が前期比2.3%減の1兆5000億円、営業利益が同13.3%増の1250億円、当期利益が同66.4%増の1000億円を計画している。営業利益率は2020年3月期の7.2%から、2021年3月期に8.3%に改善する。また、2021年3月期は設備投資を前期比5.3%増の1400億円、研究開発費は同8.1%増の850億円を見込んでいる。

 オンラインで開催した決算説明会において、日本電産 代表取締役会長兼CEOの永守重信氏は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による不況を経営体質改革の機会ととらえ、グループ全体の収益構造を抜本的に改善していく方針を示した。四半期ベースで業績が過去最高だった2019年10〜12月期を基準に、連結売上高が半減しても営業黒字となる収益構造をつくる。これにより売上高が回復するにつれて営業利益率が高まり、2019年10〜12月期と同じ水準に売り上げが回復したときに営業利益を倍増することを目指す。


売上高が半減しても営業黒字を実現する(クリックして拡大) 出典:日本電産

 4月1日付で社長執行役員(COO、インド日本電産の取締役会長を兼務)に就任した、日産自動車出身の関潤氏も「10年に1度の大掃除のチャンス」だと語る。「1月から感染拡大までの2カ月間、34カ所の工場を視察した。きれいで効率的で、環境にも配慮されている工場ばかりだが、それでも内製化率などに改善の余地がある。動いていない在庫、価値のない建屋への保険、使っていない装置の定期点検など、固定費はどんどん圧縮する。車載用、家電用ともに営業利益率を3〜4%改善したい。コストにまだ課題があるので、受注も多いが失注も多い。コストを詰めればもっと受注が増やせるだろう」(関氏)。

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