BLE対応センサーをクラウド上で一括制御できるIoTゲートウェイ:組み込み開発ニュース
プラススタイルはBLE対応の各種センサーと連携し、多様なデータをクラウドサービス「obniz Cloud」で管理できるIoTゲートウェイ「obniz BLEゲートウェイ」を販売開始する。
IoT関連製品を取り扱うWebサイト「+Style」を運営するプラススタイルは2020年5月12日、低消費電力通信が可能なBluetooth Low Energy(BLE)対応センサーの制御をクラウドサービス「obniz Cloud」で実現するIoTゲートウェイ「obniz BLEゲートウェイ」を販売開始した。BLEセンサーとの連携に必要なファームウェアなどをクラウド上に集約して、IoTゲートウェイ自体をプログラミングすることなくBLEセンサーの追加や変更などをクラウド上で設定できる仕組みを実現した。価格は税込みで1万780円。
obniz BLEゲートウェイの本体サイズは幅約35×高さ約50×厚さ約13mm。電源はAC100V(50Hzまたは60Hz)で、消費電力は最大0.1A。Bluetooth 4.2 Low Energyに対応しており、最大で7台のデバイスを同時接続できる。動作範囲は温度で0〜40℃、湿度で10〜90%。3軸加速度センサーや赤外線センサー、温湿度センサー、CO2センサー、PM2.5を計測できるエアクオリティーモニターなどと連携可能だ。
最大の特徴はIoT機器の開発を手掛けるobnizのクラウドサービス「obniz Cloud」上でのプログラミングによってBLE対応センサーを制御できるようにした点だ。BLE対応センサーとの連携に必要なファームウェアやプログラムを、obniz独自のファームウェアレス技術によりobniz Cloudに集約。これによってゲートウェイのファームウェアをプログラミングすることなく、BLE対応センサーの追加や変更、キャラクタリスティクス(データ転送における最小単位)や、キャラクタリスティクスの集積から成るサービス(機能)といった操作をobniz Cloud上で実行できる仕組みを構築した。
BLE対応センサーの制御はJavaScriptとNode.js、Pythonなどを使ったプログラミングで行える。WebSocket APIやREST(Representational State Transfer) APIにも対応しており、接続した各種センサーの操作やデータ取得も容易だ。
また、obniz Cloudは暗号化プロトコルであるTLSやBLE対応センサーの管理機能、死活監視を標準サービスとして提供する。加えて、ゲートウェイ自体にデバイス接続先データなどを保持せず、専用OSだけが書き込まれているので、総合的なセキュリティ性は高い。また、デバイス接続先データを保持していないため、BLE対応センサーやゲートウェイの交換時やゲートウェイ盗難時に、接続設定を変更する必要もない。
産業領域の利用用途としては、オフィス環境の管理や食品衛生管理といった活用用途を想定している。
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