AI関連機能を搭載したレコーダー、エッジコンピューティング基盤として展開:FAニュース
横河電機は、AI関連機能を搭載したデータ収集制御システム「SMARTDAC+」のペーパレスレコーダーとデータロギングソフトウェア、エッジコンピューティングプラットフォームを発売する。
横河電機は2020年4月7日、AI(人工知能)関連機能を搭載したデータ収集制御システム「SMARTDAC+」のペーパレスレコーダーとデータロギングソフトウェア、エッジコンピューティングプラットフォームを発表した。工場内の問題の発生防止や、生産効率向上に貢献する。
今回発売するのは、SMARTDAC+のパネルマウントタイプペーパレスレコーダー「GX」シリーズ、ポータブルタイプペーパレスレコーダー「GP」シリーズ、データロギングソフトウェア「GA10」、Python(パイソン)対応のモジュールを追加したエッジコンピューティングプラットフォーム「e-RT3 Plus」となる。生産現場や開発現場などで使用されるレコーダーやデータロギングソフトウェア、コントローラーに、AI関連機能を搭載した。
GX/GPシリーズには、AIで予測波形をリアルタイムに描画する、未来ペン機能を搭載する。未来のある時点までの予測波形を示すことで、アラーム発生の可能性を確認できる。これにより、問題発生以前に対応を考えられる。
GA10は、収集したデータから、設備が正常に稼働している際の正常値を機械学習する。動きが異なる事象が起こると違和感として検知し、黄色い枠で監視画面を囲んでハイライトすることで知らせる。これまで熟練運転員しか感じとれなかった違和感が検知可能になるため、故障前に保守でき、生産活動への影響を最小限に抑えられる。異常値を収集する必要もない。
e-RT3 Plusは、各種装置に組み込んで制御するコントローラーで、新たにプログラミング言語のPythonに対応するCPUモジュールを発売する。AIを活用した予兆診断の機能を実装する際などに、Pythonのソフトウェアライブラリを活用でき、開発期間を大幅に短縮する。また、優れた耐環境性能を備え、従来のIO(入出力)モジュールにも接続でき、1台で開発から実装、運用まで完結する。
このCPUモジュールを搭載したe-RT3 Plusは、AI活用に適したエッジコンピューティングプラットフォームとして、AIの導入をサポートする。汎用OSのLinux Ubuntuに対応しており、自由度の高い運用ができる。
発売は、GX/GPシリーズ、e-RT3 Plusが同年4月8日、GA10が同年5月13日となる。なお、SMARTDAC+はデータ収集製品「OpreX Data Acquisition」、e-RT3 Plusはコントローラー「OpreX Control Devices」の新製品となる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- いまさら聞けない「エッジコンピューティング」
IoT活用やCPS進展の中で、あらためて脚光を浴びている「エッジコンピューティング」。このエッジコンピューティングはどういうことで、製造業にとってどういう意味があるのかを5分で分かるように簡単に分かりやすく説明します。 - 月8万円で始めるエッジコンピューティング、MSがクラウド連携端末を国内初披露
日本マイクロソフトは「IIFES2019」(2019年11月27〜29日、東京ビッグサイト)において、AI対応のエッジコンピューティングデバイスである「Azure Stack Edge」を日本の展示会で初展示した。 - ノンプログラミング開発環境がIoTのエッジとクラウドの相克を解消する
IoT活用を進めていく上で大きな課題になるのが、IoTデバイスなどのエッジ側とクラウド側の間に存在するソフトウェア開発環境の違いだ。この相克を解消するノンプログラミング開発環境に注目が集まっている。 - 組み込み業界に大インパクト「Amazon FreeRTOS」の衝撃
「AWS re:invent 2017」で発表された「Amazon FreeRTOS」は組み込み業界に大きなインパクトを与えることになりそうだ。ベースとなるオープンソースのMCU向けRTOS「FreeRTOS」、FreeRTOSとAmazon FreeRTOSの違いについて解説する。 - スマートファクトリーはエッジリッチが鮮明化、カギは「意味あるデータ」
2017年はスマートファクトリー化への取り組みが大きく加速し、実導入レベルでの動きが大きく広がった1年となった。現実的な運用と成果を考えた際にあらためて注目されたのが「エッジリッチ」「エッジヘビー」の重要性である。2018年はAIを含めたエッジ領域の強化がさらに進む見込みだ。 - いまさら聞けない「デジタルツイン」
デジタルツインというキーワードを、IoT活用やデジタル変革(DX)の流れの中で耳にする機会が多くなった。デジタルツインとは何か? について「5分」で理解できるよう簡単に分かりやすく解説する。