新型コロナにMaaSや遠隔問診で対応、フィリップスが医療ソリューションを提案:医療機器ニュース(2/2 ページ)
フィリップス・ジャパンは新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策として、同社が提供可能な医療ソリューションを紹介するオンライン会見を開催した。会見中では遠隔問診サービスやMaaSなどの活用が提案された。
軽症者と中等症者向けにMaaS活用を提案
軽症者と中等症者向けの医療ソリューションは、医療機関や関連する特別施設向けに考案されたものだ。超音波診断装置Lumify(ルミファイ)や小型かつ軽量で隔離遠隔監視にも対応する生体モニター装置、マスクと挿管のいずれにも対応可能な汎用型人工呼吸器などの製品を組み合わせた。
特徴的なのはこれらの製品に、同社がMaaS(Mobility as a Service)の1種と位置付ける軽症者受け入れ施設向けの移動診療サービスを組み合わせている点だ。
移動診療サービスの具体的内容について堤氏は「受け入れ施設の駐車場に医療機器を搭載したドクターカーなどを駐車し、車両内でCOVID-19の検査を実施できるようにする。目的は軽症者が来院する機会を減らして、医療従事者への感染可能性をできるだけ低減することにある。なお、移動診療サービス自体は2019年11月から長野県伊那市の協力のもと、実用化に向けた実証実験を開始している」と説明した。
最後に、堤氏が重症者向けの医療ソリューションとして提案したのは「遠隔ICU(集中治療室)ソリューション」だ。
医療機関同士でICUに入院中の患者のバイタル情報などのデータを共有する仕組みを導入することで、ICUにいるベッドサイドスタッフと支援センターなどに在籍する専門スタッフの連携を促す。これにより、医療従事者の感染可能性を低減させつつ、COVID-19感染者に対して高品質な医療環境を提供することを目指す。「遠隔ICUソリューション自体は、既に昭和大学で実証実験を開始している。現在、ICUの専門医が少なく、ワークロードの過大化が問題となっているが、このソリューションを導入することで医療現場の効率化を実現できる可能性がある」(堤氏)。
堤氏は、COVID-19の感染拡大の状況を踏まえた上でフィリップス・ジャパンが社会的に果たす役割について「当社は患者と医療機関の従事者をどのようにサポートできるかを常に考えている。今後は、COVID-19への対応において、医療従事者を支える数々の医療ソリューションを提供するプラットフォームの構築が重要性を増すだろう。当社が2019年11月に国内で販売開始したトータル・ホスピタル・マネジメント・ソリューション『Tasy』をはじめ、医療従事者の日々のワークを手助けする製品、ソリューション提供を行っていくつもりだ」と語った。
なおこれらの医療ソリューションは2020年4月20日週から自治体や医療機関向けに提供をはじめたが、国内での未上市品や薬事承認中の製品を含むソリューションが一部あり、それらは準備が整い次第提供を開始する予定だという。
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