ニュース
三井金属鉱業がスマートファクトリー化プロジェクトを開始、SAPソリューションで:製造IT導入事例
三井金属鉱業は、銅箔事業の生産工場を効率化するため、「SAP Cloud Platform」などのSAPジャパンのソリューションを活用した「スマートファクトリープロジェクト」を2019年12月末から稼働開始した。
三井金属鉱業は2020年3月25日、銅箔事業の生産工場を効率化するため、「SAP Cloud Platform」などのSAPジャパンのソリューションを活用した「スマートファクトリープロジェクト」が、2019年12月末より稼働開始したと発表した。
今回の取り組みは、三井金属鉱業の主力事業の1つである銅箔製品の生産管理において、これまで熟練社員が行っていた計画立案、加工、検査、出荷作業を、工場運営業務の視点から高度化、効率化、自動化、可視化することを目的としている。
三井金属鉱業では、SAP Cloud Platformおよび「SAP Leonardo」などのソリューションを導入し、それを基にシステムを開発。従来は技術習得に10年必要だった製品検査処理や加工処理を、画像解析および機械学習によって自動化した。また、受注データから製造データ、検査データまでのシームレスな連携により、製品品質の高度化および歩留まりの向上を実現した。
同プロジェクトは、SAPジャパンが主催する「SAP AWARD OF EXCELLENCE 2020」の「Technology Disruptor Category」を受賞した。本格稼働は2020年5月頃を予定している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- シームレスな“モノづくり基盤”実現へ、設計と生産の結び目にまで踏み込むSAP
ドイツのSAPは、ハノーバーメッセ2019(2019年4月1〜5日、ドイツ・ハノーバーメッセ)において、「マスカスタマイゼーション」を実現するモノづくりの一連のフローをブース内に再現。同社のソリューションがこれらの工程を総合的に支援できるという点を訴えた。また、欧州で旭化成が取り組み、SAPが支援に入る、水素サプライチェーンインフラ構築への取り組みを事例として紹介した。 - エッジは強く上位は緩く結ぶ、“真につながる”スマート工場への道筋が明確に
IoTやAIを活用したスマートファクトリー化への取り組みは広がりを見せている。ただ、スマート工場化の最初の一歩である「見える化」や、製造ラインの部分的な効率化に貢献する「部分最適」にとどまっており、「自律的に最適化した工場」などの実現はまだまだ遠い状況である。特にその前提となる「工場全体のつながる化」へのハードルは高く「道筋が見えない」と懸念する声も多い。そうした中で、2020年はようやく方向性が見えてきそうだ。キーワードは「下は強く、上は緩く結ぶ」である。 - 工場自動化のホワイトスペースを狙え、主戦場は「搬送」と「検査」か
労働力不足が加速する中、人手がかかる作業を低減し省力化を目的とした「自動化」への関心が高まっている。製造現場では以前から「自動化」が進んでいるが、2019年は従来の空白地域の自動化が大きく加速する見込みだ。具体的には「搬送」と「検査」の自動化が広がる。 - 自律するスマート工場実現に向け、IoTプラットフォーム連携が加速へ
製造業のIoT活用はスマート工場実現に向けた取り組みが活発化している。多くの企業が「見える化」には取り組むが、その先に進むために必要なIoT基盤などではさまざまなサービスが乱立しており、迷うケースも多い。ただ、これらのプラットフォームは今後、連携が進む見込みだ。 - 見えてきたスマート工場化の正解例、少しだけ(そもそも編)
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて、話題になったトピックなどに応じて解説します。第28回となる今回は、スマート工場化において見えてきた正解例について前提となる話を少しだけまとめてみます。 - スマートファクトリーはエッジリッチが鮮明化、カギは「意味あるデータ」
2017年はスマートファクトリー化への取り組みが大きく加速し、実導入レベルでの動きが大きく広がった1年となった。現実的な運用と成果を考えた際にあらためて注目されたのが「エッジリッチ」「エッジヘビー」の重要性である。2018年はAIを含めたエッジ領域の強化がさらに進む見込みだ。