2020年から市販化する超小型モビリティ、免許制度や軽との差別化が課題に:モビリティサービス
矢野経済研究所は2020年3月12日、超小型モビリティや電動ミニカーなど「次世代モビリティ」の市場調査を発表した。超小型モビリティの規格が創設される2020年から普及が進み、2025年に日本国内の販売台数が8300台に拡大すると見込む。2030年には1万1200台に市場規模が拡大するとしている。
矢野経済研究所は2020年3月12日、超小型モビリティや電動ミニカーなど「次世代モビリティ」の市場調査を発表した。超小型モビリティの規格が創設される2020年から普及が進み、2025年に日本国内の販売台数が8300台に拡大すると見込む。2030年には1万1200台に市場規模が拡大するとしている。
超小型モビリティは、2020年から市販がスタートする。国土交通省が2人乗りの小型電気自動車(EV)を軽自動車の一種と正式に区分したことで、販売が可能になった。2020年の超小型モビリティの販売台数は3000台と予測する。
超小型モビリティの先駆けとしては欧州の「Lクラス」という規格がある。新車市場でのLクラスのシェアは0.3〜0.4%と小さい。日本国内でも同程度の比率で潜在的な需要があると想定すると、年間販売台数は1万8000台が上限だとしている。ただ、欧州とは免許制度が異なるため、Lクラスのメインユーザーである運転免許を持っていない若年層や、何らかの理由で運転免許を取得できない層を日本では取り込めない。免許返納後の高齢者の移動手段として使うことも、日本の現行制度では難しい。経済産業省は2020年以降で超小型モビリティの購入助成金を出す方針で、普及推進のポイントとなる。
さらに、日本では超小型モビリティが軽自動車に準拠した規格となったため、コスト面では電動ミニカーと、ユーティリティー性では軽自動車と競合する中で市場展開を目指さなければならないという課題がある。矢野経済研究所は、ユーザーへの“お得感”を持たせるには、超小型モビリティの自動車税が電動ミニカーと軽自動車の中間に落ち着くべきだと指摘する。超小型モビリティの車検についても、軽自動車よりも簡素化するなどのメリットがなければ、「電動ミニカーの優位性を際立たせるだけ」(矢野経済研究所)だと述べている。
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