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トヨタのリハビリ支援ロボットが採用した人間の骨格を検出する人工知能エンジン:組み込み採用事例
ネクストシステムは、人間の骨格を検出する同社の人工知能エンジン「VisionPose」を、トヨタ自動車のリハビリテーション支援ロボット「ウェルウォークWW-2000」に提供した。同ロボットに、歩行分析ガイドやゲームなどの新機能が加わった。
ネクストシステムは2020年2月21日、人間の骨格を検出する同社の人工知能エンジン「VisionPose」を、トヨタ自動車のリハビリテーション支援ロボット「ウェルウォークWW-2000」に提供したと発表した。
VisionPoseは、カメラ映像や画像ファイルから人間の骨格情報を検出できる人工知能エンジンだ。高精度に骨格を検出する「Standard」、カメラ1つで3D座標での骨格検出が可能な「Single3D」、より手軽な研究開発向けの骨格検出プラットフォーム「Nano」の3つを展開している。
ウェルウォークWW-2000は、患者に合わせて難易度を調整したり、歩行状態のフィードバックをしたりとさまざまなリハビリテーション支援機能を備える。VisionPoseの提供により、患者の歩行状態をリアルタイムに検出可能になったことから、ウェルウォークWW-2000に、歩行改善のアシスト設定に役立つ歩行分析ガイドや、リハビリテーションのモチベーション維持を支援するゲームなどの新機能が加わった。
なお、療法士が操作するパネルのデザインやユーザーインタフェースの実装、音響制作はハル研究所が担当している。
ウェルウォークWW-2000は同年2月20日より納入を開始しており、メーカー希望価格は2350万円(沖縄は2450万円、いずれも税別)となっている。
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