従来機種の半額以下、フルカラー&マルチ素材対応の「Stratasys J826」登場:3Dプリンタニュース
ストラタシス・ジャパンは、フルカラー&マルチマテリアル対応のPolyJet方式3Dプリンタの新製品「Stratasys J826」を発表し、2020年2月19日から国内での受注を開始した。
ストラタシス・ジャパンは2020年2月19日、フルカラー&マルチマテリアル対応のPolyJet方式3Dプリンタの新製品「Stratasys J826」(以下、J826)を発表し、同日から国内での受注を開始した。販売価格はオープンで、出荷開始は同年5月15日からとなる。
J826は、2019年10月に発表された「Stratasys J850」(以下、J850)を小型化した製品で、基本的な造形品質や精度はそのままに、造形エリア(最大造形サイズ)を小さくすることで、販売価格をJ850の半分以下に抑えた。J850がより高速でより大型の造形を実現し、試作用途にとどまらない活用に適しているのに対し、J826は試作を中心としたデザインプロセスの効率化/合理化の実現を支える、中型サイズのミッドレンジ3Dプリンタとして位置付けられている。
「フルカラー&マルチマテリアルによる高品質かつリアリスティックな試作パーツの製造が、よりお求めやすい価格で実現できるようになる。J826を活用することで、色や質感を含めた形状確認を早期に実現でき、デザインプロセスにおける時間短縮やコスト削減といった効果をもたらす」と、同社 ノースアジア プロダクト&ソリューション部 シニアセールス アプリケーション エンジニアの小林俊亮氏は述べる。
新製品のJ826と、J850の違いの1つは最大造形サイズで、J850が490×390×200mmであるのに対して、J826は255×252×200mmとサイズダウンしている。さらに、造形モードにも違いがあり、J826はJ850に搭載されていた「スーパーハイスピード(SHS)モード」に対応していない。一方、J826特有の追加要素としてはリムーバブルトレイの採用があり、トレイを複数用意しておくことで、連続使用も可能になるという。対応材料については、原則J850と同じだが、透明度の高い素材「VeroUltraClear」のみ2020年第2四半期ごろの対応になるという(現在検証中)。
3Dプリンタ本体とセットで使用する「マテリアルキャビネット」は、J850と同じものを使用。最大7種類の材料とサポート材1種を同時に利用でき、4kgカートリッジを2本ずつセット可能だ。また、マテリアルキャビネットにはタッチスクリーン付きのワークステーションが組み込まれており、専用ソフトウェアの「GrabCAD Print」でSTLやCADネイティブデータのダイレクトインポートやカラー/マテリアルの指定などが行える。
さまざまな試作ニーズにオールインワンで応える
J826の開発の経緯について、同社 代表取締役社長の片山浩晶氏は「アディティブマニュファクチャリングという1つのトレンドの中で、ストラタシスは3Dプリンタの活用を『試作』から『量産』へとシフトさせようとしている。そうした取り組みを推進していく姿勢に変わりはないが、その一方で、3Dプリンタ利用の中心となっている試作領域が抱える課題解決にも目を向ける必要があると考えている。機能やCMF(色、素材、仕上げ)の視点で、産業ごとに異なる試作ニーズがたくさんある中で、オールインワンでこれらに応えられる、守備範囲の広い3Dプリンタが必要だと考え、2019年10月にJ850をリリースした。そして、そのメリットをさらに多くの方々に普及させたいと考えて、J826の開発に至った」と語る。
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