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日本製鉄が4900億円の損失計上で高炉を追加休止、経営刷新に向けDX推進部も新設製造マネジメントニュース(2/2 ページ)

日本製鉄が、2019年度の通期業績見通しで単独営業損益が1300億円の赤字(在庫評価差除く)となり、子会社も含めた減損などにより4900億円の損失を計上することを発表。厳しい経営環境に対応するため、日鉄日新製鋼の呉製鉄所の全設備の休止をはじめとする新たな生産設備構造対策と経営ソフト刷新施策について発表した。

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製鉄所の部組織数を3割強、本社の室組織を3割削減へ

 経営ソフト刷新施策では、「コーポレートガバナンスに関する機関設計の見直しと経営体制のスリム化・効率化」「全社的な組織・業務運営の一層の効率化」「デジタルトランスフォーメーションへの対応強化」を実施する。

 「コーポレートガバナンスに関する機関設計の見直しと経営体制のスリム化・効率化」は、「監査役会設置会社から監査等委員会設置会社への移行の他、取締役が13人、監査役が7人が参加する取締役会をはじめ経営体制のスリム化を図る。

 「全社的な組織・業務運営の一層の効率化」では、2020年4月1日付で実施する製鉄所組織の統合・再編において組織編成の大幅な見直しを行う。現行の16 拠点(日鉄日新製鋼を含む)から成る製鉄所組織を、室蘭、東日本、名古屋、関西、瀬戸内、九州の6製鉄所に統合・再編成する予定だが、その際に部組織数を3割強削減する。また、本社組織についても、各部門の全社統括機能を堅持しつつ、大括り化によって室組織を3割削減する。

「全社的な組織・業務運営の一層の効率化」の概要
「全社的な組織・業務運営の一層の効率化」の概要(クリックで拡大) 出典:日本製鉄

 「デジタルトランスフォーメーションへの対応強化」は、データとデジタル技術の積極活用による事業競争力のさらなる強化を目的としている。具体的には、2020年4月1日付で「デジタル改革推進部(DX推進部)」を設置するなど、デジタルトランスフォーメーション(DX)に関わる組織の再編および機能再構築を行う。この新組織は、製造・整備の現場、販売・生産計画、収益管理などに関する全社横断的な課題への一元的対応と、これらの基盤となるデータマネジメントの強化により、業務・生産プロセス改革の実行を加速する。

「デジタルトランスフォーメーションへの対応強化」の概要
「デジタルトランスフォーメーションへの対応強化」の概要。全社横断課題に一元的に対応するためのデジタル改革推進部(DX推進部)を設置する(クリックで拡大) 出典:日本製鉄

 DX推進部は第1段階として、日本製鉄グループの保有するデジタル技術リソースである業務プロセス改革推進部、システム制御技術部(設備・保全技術センター)、インテリジェントアルゴリズム研究センター、計測・制御研究部(プロセス研究所)、日鉄ソリューションズ、日鉄テックスエンジなどの各領域を俯瞰できるような組織とする。その上で、デジタル技術を用いた業務・生産プロセス改革の中長期戦略の策定および上述の全社横断課題の企画・推進を担うとともに、デジタル投資に関する全社リソース投入マネジメントの強化・効率化、投資案件に適用するデジタル技術の評価および実行部門間の調整、最新デジタル技術の調査・適用検討および実機化推進などを行う。

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