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シャープの会議室用タッチディスプレイ、IoTセンサーで新たな価値を生み出す製造業IoT(2/2 ページ)

シャープはマイクロソフトが定めるビジネス用途向け電子黒板(Interactive Whiteboard)の規格「Windows collaboration display」の認証を取得した70V型4Kタッチディスプレイ「PN-CD701」を発表。2020年3月から国内市場向けの販売を開始する。

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タッチディスプレイの右上にIoTセンサーを搭載

 PN-CD701は、高精細の4Kディスプレイと搭載する70インチのタッチディスプレイ製品だ。マイクロソフトが独自に展開する「Suface Hub」とは異なり、Windowsシステムは組み込まれていない。会議システムとして活用するには、Windows 10搭載PCをはじめとするスマートデバイスと接続する必要がある。Office 365やSkype for business、Microsoft Teamsを活用したテレビ会議で最も性能を発揮することもあり、Windows 10搭載PCと連携することが前提になっている。「Windows 10搭載PCを導入している企業を中心に提案していくことになる。もちろん、Windows 10搭載PCやOffice 365の導入と組み合わせた提案も考えられる」(山本氏)という。

WCDを使ったワークスタイルの進化
WCDを使ったワークスタイルの進化。グループコラボレーションやリモートコラボレーションで力を発揮する(クリックで拡大) 出典:シャープ

 PN-CD701はWCD認証、Office 365などのアプリケーションとの効果的な連携、BIG PADで培った技術とノウハウによる使いやすさの訴求といった特徴を備えている。そして、もう1つの興味深い特徴となるのが「IoTセンサーを活用したクラウドサービス」の将来的な展開である。

「IoTセンサーを活用したクラウドサービス」のイメージ
「IoTセンサーを活用したクラウドサービス」のイメージ(クリックで拡大) 出典:シャープ

 PN-CD701は、タッチディスプレイの右上にIoT(モノのインターネット)センサーを搭載している。WCN認証で必要となる温度や湿度、二酸化炭素濃度の他に、明るさ(照度)、TVOC(総揮発性有機化合物)のレベル、モーションセンサーによる人の動きなどを検知できる。これらのセンサーデータを会議室の環境データとして収集し、各種機器の利用状況などとともにクラウド「Azure」にアップロードすることで、さまざまなサービスの展開が可能になる。例えば、空調や照明のコントロール、AIなどによって会議の進行状況を分析し、停滞していれば休憩をレコメンドする機能などだ。

IoTセンサーで収集したデータの画面表示「Azure」上で分析した結果 会見の会場内では、参考出展としてIoTセンサー(赤線で示した部分に搭載)で収集したデータの画面表示(左)や、収集したデータを「Azure」上で分析した結果などを披露した(右)(クリックで拡大)

 先行してPN-CD701を発売した欧州市場では、2020年春ごろを目標にIoTセンサーを活用したクラウドサービスによるデータ収集と分析を始めたい考え。「さまざまなサービスが考えられるが、まずはデータの収集と分析が必要になるだろう。パートナーとの連携により、顧客が求めるアプリケーションを早期に展開できるような取り組みも進めたい」(シャープの説明員)としている。

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