JFEスチールが自動車用鋼板の活用技術をソリューション化、開発から量産まで:材料技術
JFEスチールは2019年12月24日、自動車用鋼板の活用における独自技術を「JESOLVA(JFE Excellent SOLution for Vehicle Application)」として体系化したと発表した。
JFEスチールは2019年12月24日、自動車用鋼板の活用における独自技術を「JESOLVA(JFE Excellent SOLution for Vehicle Application)」として体系化したと発表した。自動車メーカーに対するEVI(Early Vendor Involvement:新製品の開発初期段階からベンダーとして参画し、製品に合わせた材料、加工、評価などを提案する)活動を積極的に推し進める方針だ。
JESOLVAは高強度鋼板を採用する自動車開発に向けたソリューション提案となる。同社は高強度鋼板の活用について多数の独自技術を保有するといい、高強度鋼板の適用における設計支援から、成形や接合といった加工技術について自動車開発をトータルでサポートする。
設計支援面では軽量高強度な車体構造を創出するトポロジー最適化技術、成形面では複雑な形状を高精度に成形する最適予成形技術、接合面では超ハイテン材部品を高強度に安定して接合するパルススポット溶接技術などで自動車メーカーを支援するという。
自動車の構造骨格材料に高強度鋼板の採用が増える中、自動車メーカーや部品メーカーには高強度鋼板に適した成形方法や溶接、接合方法の最適化が求められている。JFEスチールは、同社の高成形性高強度鋼板「JEFORMA」を始めとした高強度鋼板の材料性能を最大限引き出すための技術開発を進めており、関連技術をJESOLVAとして体系化するに至った。
これら技術は、同社の「カスタマーズ・ソリューション・ラボ」(千葉市)や「カスタマーセンター福山」(広島県福山市)で紹介し、独自の高成形高強度鋼板とその利用技術をセットで自動車メーカーに提案することを目指す。
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