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MaaSの次世代戦略で各社が重視する、4つの分野とはモビリティサービス

矢野経済研究所は2019年12月12日、MaaS(Mobility-as-a-Service、自動車などの移動手段をサービスとして利用すること)関連企業の次世代戦略を調査した結果を発表した。

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 矢野経済研究所は2019年12月12日、MaaS(Mobility-as-a-Service、自動車などの移動手段をサービスとして利用すること)関連企業の次世代戦略を調査した結果を発表した。国内外の自動車メーカーやサプライヤー、MaaSサービス事業者、ITベンダーなど合計37社を対象に調査を実施した。調査対象企業に共通して高い重要度なのは、「マルチモーダルサービス」「レベル4〜5の自動運転車を使ったシェアリングサービス」「食品のデリバリー、配送、物流」「スマートシティー関連」だという。

 マルチモーダルサービスは、鉄道を起点にレンタカーやカーシェア、サイクルシェアなど他のモビリティとの連携を提供するというもの。スマートフォンを利用し、複数のモビリティを使っても目的地まで一括で予約、決済できるサービスを指す。カーシェアやサイクルシェアはあくまで単体のサービスであり、今後マルチモーダルサービスを構成する一要素になっていくという。最終的にマルチモーダルサービスを提供するため、他社との提携や共同開発、出資などを模索する動きがある。

 レベル4〜5の自動運転車は2020年から試験的な利用がスタートし、2023〜2024年ごろの実証を経て、2025年ごろから市場が拡大すると見込む。当面は、個人所有ではなく、企業がMaaSに使うために活用するのが主流になるとしている。クラウドを活用したサービスやメンテナンスが必要となるため、MaaSサービス事業者が組織力と技術力を持って対応すべきレベルのビジネスとなるという。また、天候によってセンシングが難しいなど運行できない場合に手動運転の車両で代替する必要があるため、個人で所有して活用するのは難しい。

 フードデリバリーは、米国のUber Eats、中国の滴滴出行(ディディチューシン)、アジア圏のGrab(グラブ)などが急激に成長。これに対し、日本国内では普及が進んでいないため、これから大きく成長する余地があるとしている。中国ではレベル4〜5の自動運転車による配送サービスを国家スケールで普及させようとしており、スマートフォン決済の文化と相まって、今後も大幅な成長が見込まれるという。

 業種別のスタンスもまとめている。自動車メーカーは、生き残りをかけて、自動車を製造して販売するビジネスモデルから、モビリティサービスのビジネスモデルに変化しようとさまざまな取り組みを試みている。ティア1サプライヤーも、自動車メーカーの求める部品を作るだけでなく、モビリティサービスの黒子としても存在すべく変化しようとしているという。ITベンダーは、スマートフォン向けのビジネスに代わる舞台を探しており、狙うのはMaaS車両のハードウェアを支える黒子としてのソフトウェアや、MaaS向けのクラウドの構築だ。

 MaaSサービス事業者は、この1〜2年で多様な業界から参入してきた。その多くは、カーシェアやライドシェアといった、自動車向けのサービスだったが、駐車場や鉄道、バス、タクシー、ドローン、バイク、自転車など幅広いサービスが動き出した。地方自治体や観光、医療福祉、不動産、建築などの企業が、モビリティサービス事業者との提携に踏み出している。

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