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製造領域における3Dプリンタの価値を再認識――「formnext」の会場を巡ってformnext 2019 フォトレポート(8/8 ページ)

3Dプリンティング技術に関する国際展示会「formnext 2019」を視察。本レポートでは多数の写真を交えながら、製造領域において存在価値をさらに高めつつある3Dプリンタの最新動向をお届けする。

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どのような産業で活用が進んでいたか

 formnext 2019で見聞きした3Dプリンタの3大活用領域は、「デンタル」「コンシューマープロダクト」「航空宇宙産業」が挙げられる。特に、航空宇宙産業関連の造形サンプルは、展示会場のあちらこちらで目にすることが多かった。

ロケットのノズル
銅とニッケルで3Dプリントされた、ロケットのノズル[クリックで拡大]
ステンレススチールでプリントされた、ロケットのエキゾーストノズル
ステンレススチールで3Dプリントされた、ロケットのエキゾーストノズル[クリックで拡大]

 ドイツのアーヘン工科大学の調査資料によると、自動車産業はあまりインパクトのない領域という位置付けになっているようだ。大量生産の仕組みが確立した自動車産業領域では、既存の製造方式の方が3Dプリンタ製造よりもコスト面で優位に立つからだ。自動車産業が盛んな日本国内において、諸外国よりも3Dプリンティングに関する話題が少ないのはこうした背景があるからだろう。

まとめ

 筆者は過去に2度、2016年と2017年にformnextを視察しているが、年々広がるその規模を肌で体感している。2016年は1日あれば十分に見て回れる規模感であったが、今回は3日以上滞在しないと、全てを見て回ることはできなかった。

 来場者の誰もが、Additive Manufacturingが製造業の一つの製法として定着し始めていることを確信したのではないだろうか。なお、筆者自身は「リサーチ」という目的であったが、展示会場の各所では積極的な商談も行われている様子だった。

 このformnextが2020年に日本でも開催される。規模を小さく「フォーラム」という形式で開催するとのことだが、日本の3Dプリンティング業界の発展に、非常に重要なフォーラムになることは間違いないだろう。

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