シチズンマシナリーが中国に新工場建設、日本製工作機械への引き合い増加に対応:工場ニュース
シチズンマシナリーは、重要製造拠点の1つである中国の西鉄城精密机械を拡張のため移転し、新工場を建設する。日本メーカーの工作機械へのニーズが高まる中国市場へ向けて、製品を安定して供給できるよう、生産能力を倍増する。
シチズンマシナリーは2019年11月7日、重要製造拠点の1つである中国の西鉄城(中国)精密机械(CITIZEN〈CHINA〉PRECISION MACHINERY)を移転し、新工場を建設すると発表した。新工場の完成と稼働開始は2021年2月を予定している。
現在の工場敷地は拡張性がないため、近隣の土地を新工場用に購入して建設する。新工場では生産工程の自動化を進めて、工程進捗や設備稼働状況を可視化するシステムを導入。CNC(コンピュータ数値制御)自動旋盤の生産能力を月産最大350台と現在の倍に増強するとともに、スマート化による生産性向上も推進する。
所在地は現工場から3.4km離れた山東省中央部の地区。敷地面積は6万7600m2、工場の延床面積は3万4200m2で現工場の約3倍となる。ショールームは従来の倍のスペースになり、テストカットなど、実際に加工している様子を見られる。
シチズンマシナリーでは、新工場の建設に合わせて、対象加工径φ1〜42mmの幅広い商品や独自の加工技術、IoT(モノのインターネット)ソリューションなどの特長を訴求することで、販売を拡大していく。
また、新工場だけでなく、従業員の福利厚生向けとして社員寮(延床面積7600m2)も2棟建設。工場敷地内にはスポーツジムやバスケットコートを設置する。
中国市場では、付加価値の高い日本メーカーの工作機械へのニーズが高まっている。中国政府が製造業の高度化を目指していることから、大手企業の大口案件の増加も見込まれる。同社は工場の拡張により、今後も中国市場へ向けて製品を安定して供給できるよう、生産体制の整備、拡充を図る。
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