「モデリング」の基本を理解して3D CAD活用の第一歩を踏み出そう!:“脱2次元”できない現場で効果的に3D CADを活用する方法(7)(3/3 ページ)
“脱2次元”できない現場を対象に、どのようなシーンで3D CADが活用できるのか、3次元設計環境をうまく活用することでどのような現場革新が図れるのか、そのメリットや効果を解説し、3次元の設計環境とうまく付き合っていくためのヒントを提示します。今回は、より具体的な3D CAD活用の第一歩として「モデリング」の基礎について取り上げます。
スケッチを使いこなす、3D CADのスケッチ機能は2次元設計もできる!
スケッチは基本、平面に描いていきます。3D CADを使いこなすには、どこの平面に、どういったスケッチを描いてフィーチャー化して組み合わせていくかをイメージできるようになっていく必要があります。例えば、平面を作成し、そこにスケッチを描いてフィーチャーで立体化するなどのモデリングをしていきます。
一般的な3D CADソフトでスケッチを描いていく手順ですが、最初にスケッチを描く平面を指定します。次に線分をラフに描いて、平行や垂直などの幾何拘束、距離や角度などの寸法拘束を追加していくという流れになります。
3D CADで2次元設計はできないと思われている方もいますが、それは大きな誤解です。3D CADのスケッチ機能は2次元設計も可能で、3次元とのハイブリッド設計が行えるのです。
3D CADを活用した新しい設計環境へ
2D CADは、ドラフターをPCに置き換えて同じ図面を描きます。従来の設計のやり方、図面の描き方を大きく変える必要はありません。それに対して3D CADは、PCの中で部品を作成して組み立てるものになるので、従来の設計のやり方に+αが必要になるため、使うハードルが上がるのは確かです。
しかし、これまでの連載で紹介してきたとおり、3D CADを用いた設計には、多くのメリットがあります。例えば、2次元のみで設計した場合、「部品が取り付けられない、ドライバーが入らない」「部品同士の干渉やクリアランス不足が発生してしまった」「機構が動作しない、動作中に干渉が起こってしまった」「外観、デザインを詰め切れなかった」「意図しないところに隙間が空いていた」「強度不足、質量オーバー」といった、コスト、納期、品質に直結するさまざまな問題に直面することがありますが、3D CADによる設計であれば、こうした課題や悩みを解消できます。ぜひ、この機会にモデリング力を身に付けて、新しい設計環境に移行しましょう! (次回に続く)
筆者プロフィール
小原照記(おばら てるき)
いわてデジタルエンジニア育成センターのセンター長、3次元設計能力検定協会の理事も務める。3D CADを中心とした講習会を小学生から大人まで幅広い世代の人に行い、3Dデータを活用できる人材を増やす活動をしている。また企業の困り事に対し、デジタルツールを使って支援している。人は宝、財産であると考え、時代に対応する、即戦力になれる人財、また、時代を創るプロフェッショナルな人財の育成を目指している。優秀な人財がいるところには、仕事が集まり、人が集まって、より魅力ある街になっていくと考えて地方でもできること、地方だからできることを考えて日々活動している。
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