3次元の設計環境とうまく付き合うには【ソフトウェア編】:“脱2次元”できない現場で効果的に3D CADを活用する方法(5)(1/2 ページ)
“脱2次元”できない現場を対象に、どのようなシーンで3D CADが活用できるのか、3次元設計環境をうまく活用することでどのような現場革新が図れるのか、そのメリットや効果を解説し、3次元の設計環境とうまく付き合っていくためのヒントを提示します。今回は、3D CAD、CAE、CAM、ビュワーの4つのソフトウェア選びについて取り上げます。
前回、“使用するハードウェア環境の選び方”について取り上げましたので、今回は“使用するソフトウェア環境の選び方”をテーマに解説したいと思います。
設計環境の“脱2次元化”を進め、これから現場で3D CADを効果的に活用していくためには、当然ながらソフトウェア選びが重要となってきます。
ということで、今回は、
- 3D CAD
- CAE
- CAM
- ビュワー
の4つのソフトウェア選びについて解説します。
1.3D CADソフトの選び方
3次元の設計環境で必要になるのが、3Dデータを作るためのソフトウェア「3D CAD」です。
世の中には数多くの3D CADソフトがあり、初めて導入する際、どれを購入したらよいか迷われると思います。操作性や機能性などは、もちろんのこと、ライセンス費や保守費などのコスト性も検討されることでしょう。カタログ上の情報だけではなく、展示会やセミナーなどに足を運んで情報収集することをオススメします。
また、実際に使用している人からの評判も聞けると、なおよいでしょう。今はネット上にも多くの情報がありますので、それらも参考にしながら自社にマッチした3D CADソフトを選んでください。参考までに、以前筆者がTechFactoryで執筆した連載「業務に適した3D CADをレーダーチャートで探る」をご紹介しておきます。6つの商用3D CADソフトについて評価しているのでぜひご覧ください。
そして、ある程度目星を付けたら、期間限定で使える評価版をインストールして、実際に操作してみることをオススメします。3D CAD導入が全く初めての場合には、使いこなして検証するというのは無理ですが、何となくのイメージをつかむことはできると思います。よほど急いで導入する必要がなければ、焦らずに時間をかけて検討を続けることも必要です。
当然ながら、企業ごとで3D CADの使い方は異なり、重要性も千差万別ですので、自社の業務に対して独自の項目で検討を進め、総合的に判断しなければなりません。もし、自力での検討が難しい場合には、コンサルタントなどにお願いするのも一つの手だと思います。
これらに加え、3D CADを導入した後のトレーニングやサポートの充実度なども選ぶ際のポイントになります。この部分に関しても、コンサルタントなどの支援をうまく活用することで、社内における3D CAD導入を効率的に進めることが可能です。
さらに、以上のような視点とは別に、ビジネスおよび経営視点からの検討も必要です。例えば、新事業展開、海外展開などを考えた場合、社外とのデータ連携が生じる可能性がありますので、自ずと選定候補が絞られてくるはずです。
ご覧の通り、検討すべき項目は多岐にわたります。難しい点もあるかと思いますが、現場と経営の考えをうまくすり合わせて、双方が納得できる形で3D CADソフトを選定することが理想です。
2.CAEソフトの選び方
3D CADで設計ができるようになると、応力解析や熱流体解析といった検証を「CAE」で行えるようになります。
3D CADソフトの導入を検討する際、最終的にCAEまで自社で実施したいかどうかも考えておきましょう。なぜなら、3D CADにはじめからCAE機能が搭載されている統合型のものと、後から追加で搭載できるもの、別途ソフトを購入する必要があるものとがあるからです。
また、CAEもどこまで専門性を求めるかによって、3D CADに搭載させたCAE機能で十分なのか、専用ソフトでないと実現できないのかが変わってきます。将来的にCAEを実施していきたいという意思が少しでもあるのであれば、3D CAD選びをしている際に、メーカーや商社にその意思を伝えておきましょう。そうすることで、提案されるソフトやアドバイスも変わってくるかと思います。
CAEソフトもさまざまな種類がありますので、実際に選ぶときは、先ほどの3D CADソフト選びと同様に、カタログの情報だけではなく、いろいろなところから情報を収集し、自社に合ったものを選びましょう。
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